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家族
日が沈み、街が眠りにつこうとしている。
直に空はオレンジから赤になり、反映して紫が黒になる。
その過程を見届けながら、伊野は自分の胴にしっかりしがみついたままのニコルの頭を一度離した。
「…?」
泣き腫らした顔が不安げに見る。瞳が揺れる。
伊野はその横顔に手を添えた。
「構わなくていいんだ」
「…」
「お前は。俺の家族だよ。妹みたいな。大切な、なんてことはない。その辺にいくらでもある。
それでいいじゃん」
誰が何と言おうと。
それが本当じゃないにしたって。
「それでいいんだ」
伊野の瞳に、ニコルが、頷き、再びゆるりと頭を預けてくる。
「ユースケ…」
伊野はその頭に手を添えて、ぼんやりと考えてみる。
きっと大変なことに手を突っ込んでしまった。もう取り返しは付かない。簡単なことではない。相当ややこしい事態だ。
だけど、もうどうだっていい。きっと、何とかなるはずだ。
きっと何とかなる。今までだって何とかなった。だから大丈夫。
多分、大丈夫だ。
「……ユースケ?」
薄れていく視界の中、
伊野はゆっくりと瞼を下ろした。
インサイド/終 To Next?




