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寡黙なニコルと人間失格  作者: 或田いち
一ヶ月記念日
29/65

祝日


「おめでとう~」


「え、何が?1ヶ月って?」


「1ヶ月が経ったんだよ」


ニコルが我が家に来てから。

そういう人間失格にはいつもと変わらず覇気がない。



「というわけでちょっとしたバースデーケーキを贈呈したいと思います」


「突っ込みどころしかないが、肝心のケーキはどこにある」


「え?渥美に買っといてって言ったじゃん」


や、聞いてない。

世紀の弁護士は今日の昼にも海外で有名アーティストの弁護裁判に立たなければならないため、

家から持ち寄ったスーツケースごと伊野の部屋に上がり込んでいたが、


それも間もなくして踵を返すこととなった。



「しかも、肝心の主役がいねえし」

「いやあ、どうにも、ニコル最近外出が多くてね」

「はぁ?お前保護者なんだからその辺しっかりしとけよ、

 何かあってからじゃ遅いんだからな」


「はいはい~」


「とりあえず俺仕事で1週間くらい海外だから、何かあったら仕事場の奴に連絡しろ

 金は渡しといたら使うだろうから最低限しか渡してない」


「まるで母親ですな」


こうしてサラリと受け流す今日。

まだこれから自分の身に何が起こるかわかるはずのない人間失格、世紀の弁護士、そしてニコル。


果たして彼らはどうなるのか?



「映画予告みたいだな」


「いや、最近ちょっとシリアスめいてたんでゆるゆる再開しないとって」


「安心しろ。シリアスでも十分緩いわこの話」



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