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Dolenon実験作品

7Year's

作者: Dolenon

 五二七九年。

 惑星ビークリータ高等裁判所にてとある男の死亡宣告が言い伝えられた。そのニュースは瞬く間に銀河中に知れ渡ることになった。かつての英雄にして史上最悪の犯罪者の男はその日、法律上の死亡を言い渡された。


 五二七二年。

 惑星ブルージーナで不可解な連続殺人事件が発生した。

 被害者のつながりが一切ない、まったくもって理解に苦しむ連続殺人事件。犯人はすでに判明している。しかしその犯人の姿が捉えられない。犯人の名はベリア・モートン。先の大戦で英雄と呼ばれた男だった。犯行に使われた得物はコルト45オート。死体はすべて眼球にそれぞれ一発、額に一発、股間に一発、心臓に一発撃ち込まれていた。そして、被害者総数二千を超える頃にはベリアの消息が途絶えた。


 五二七九年六月十日。

 午前七時二十九分。

 惑星ビークリータ宇宙連合警察機構本部。第七捜査課(ルギビグス)。通称、ロックケースアンロッカーズ。未解決のまま事件が一端の終わりを見せた物を極秘裏に捜査する特殊な捜査課、ルギビグスと呼ばれる捜査チームである。かつてベリア・モートンは伝説と呼ばれる第零捜査課に所属していた経歴もあった。しかし第零捜査課はすでに解体され、存在はしていない。その第七捜査課のデスクを前に一人ノートパソコンのキーボードを叩く一人の男がいた。男は傍らにおいてあった未開封の缶コーヒーを手に取り、プルトップを手前に引っ張る。スチール缶の空きがまた一つ増えた。

「眠っ」大きなあくびをしながら男はキーボードを叩き続ける。液晶のモニターには報告書と書かれたテキストファイルに次々と文章が入力されていく。男はふと画面の右下に目を送る。

「……二日前……か」男は天井を見上げながらつぶやいた。


 二日前。

 午後十一時二十四分。

 惑星ギリクリノム。

 首都ブラスウィット郊外の廃墟と化したビルに男は入る。埃が舞い、男の鼻腔を刺激する。

「こちらブリアーノ・スィット捜査官。現場に到着した」ブリアーノと名乗った男は携帯電話で話す。

「ブリアーノ、分かってると思うけど今回の目的は確認だけだからね」

 電話のスピーカーからは女の声が流れる。ブリアーノは肩をすくめながら答える。

「分かってる、まあ万が一の時は……な」

「そんなことがないといいけどね」


 きっかけは一本の電話だった。電話の主は名を言わずたった一言だけ言った。「私はここにいる」数分後には声紋調査、逆探知が行われ電話の主がベリア・モートンであることが判明し、更に電話を掛けた場所が惑星ギリクリノムの首都ブラスウィット郊外の廃墟からであることが判明した。しかし宇宙連合警察機構の一部の者は疑問符を浮かべる。つい数日前に法律上の死亡が判明したばかりの人間がなぜ捜査課に電話を掛けたのか?

 上層部はそんな疑問に対し見向きもせずただ、第七捜査課にベリア・モートンの確保を命令する。上層部の評判株を上げたいがために……。


「ブリアーノ、一応CAS、コンバットアシスタントシステムを試験導入して三週間経つけど不備は無い?」

「ああ、こいつか」

 ブリアーノは己の左腕にはめ込んだキーボード付のグローブと、そのグローブからコードでつながったスカウターみたいな物を右手の人差し指でなでながら答える。

「特に問題なし。むしろ詳細な情報がすぐに見れるからありがたいぐらいだ」

「そう、あとあなたがテスター調査用紙に書いたバイタルポップアップシステムだけどもう少し完成に時間がかかりそうなの」

「了解」

 ブリアーノはグロック9ミリフルオートを構える。銃口の先にはわずかながらの光と圧倒的な暗闇だけだった。左目のスカウターもどきのモニターの左下には午後十一時二十七分を告げる数値が表示されていた。ブリアーノはグロック9ミリフルオートを両手でしっかりと握り締めるようにホールディングする。グロック9ミリフルオートのバレルの下に取り付けられたフラッシュライトの光が夜道に明かりを灯す。砂利道が続く。果てしなく。

「こちらブリアーノ、目的の廃墟の前に到達、これより中に突入する」

「了解……待って!」

 突如女が声を上げて叫ぶ。

「廃墟の中に未確認生命体が六……いえ、五十はいるわ」

「おいおい、浮浪者でもいるんじゃないのか?」

 ブリアーノは悪態をつきながらもグロック9ミリフルオートのスライドを少し引いてチャンバーへの装弾確認をする。次にマガジンポーチの中身を確認。ポーチの中にはそれぞれ独立されているがきちんと三本入っていた。

「じゃ、そろそろ入るとするか」

「待ってよ! 一人でそんな人数を……」ブリアーノは女の抗議を無視してさび付いた鉄の扉を右足で蹴り開ける。中には瓦礫と埃と牙をむいたヒトモドキ。

「ちっ、ニキ! CH症候群感染者だ!」

「な、なんだって!」ニキと呼ばれた女は驚く。本来CH症候群は惑星ブラーディアンのみにしか症例が確認されていないほどマイナーな感染症のはずだった。しかし目の前のヒトモドキ……つまりCH症候群感染者は本来あってはならない存在だった。

「ちっ、めんどくさい」

 ブリアーノは感染者に銃口を向ける。強化プラスチックの黒がわずかな光を反射してその存在を示す。目の前の感染者は牙をむき出し、ブリアーノに飛び掛る。ブリアーノはすばやく避け、感染者に二発撃ち込む。鉛の弾丸は感染者の身体をえぐるように中に入り込み、そのまま身体の中にとどまった。JHP弾と呼ばれるそれは内部から徐々に死に至らしめる。しかし目の前の感染者は痛みを感じることのないかのように平然と再びブリアーノに襲い掛かる。ブリアーノは側転の要領で避けて、再び弾丸を六発撃ち込んだ。

「くたばれ」ブリアーノは罵りながら感染者に近づき、感染者の頭に銃口を突きつけ、引き金を引いた。銃声が部屋中に響き渡り、感染者の血液がブリアーノの黒いエナメル製のコートに付着し、空になった薬きょうが床に落ちる。

「……着やがったな」ブリアーノは再びグロック9ミリフルオートを構える。ブリアーノはマガジンエジェクトボタンを押し、マガジンを引き抜く。マガジンに空けられた穴には六に金色の金属の弾の薬きょうがその顔を覗かせる。ブリアーノは再び戻し、銃口を別の感染者の頭に狙いを定め、トリガーを引く。スライドが後ろにキックバックし、鉛の弾頭が銃口から飛び出し、薬きょうがスライドに空けられた穴から飛び出し、床に落ちる。その一連の動作の間に弾頭が感染者の眉間を貫く。スライドがロックした、弾切れを告げていた。ブリアーノの背後から感染者が飛び掛る。ブリアーノはコートの袖の中から銀色に光る物体を取り出し、それで感染者の身体を突き刺す。銀色に光る物体はナイフだった。ナイフに血が流れる。血は柄を伝ってブリアーノの右腕に流れる。次の瞬間、ブリアーノの右腕に流れた血が一瞬で蒸発した。

「……クソッ、一体全体なんだよこの体質は」


 ブリアーノは過去、CH症候群感染者と対峙した事が数百人にも及ぶ。当然戦闘の流れで感染者の血液を浴びることもある。しかしそのたびに感染者の血液が蒸発する。現在の医学でもまったくもって解明できていない状態である。血液感染も一種の感染経路と言われているはずのCH症候群がなぜ、ブリアーノだけ蒸発させることが出来るのか。ただ、宇宙連合警察機構上層部にとってブリアーノはCH症候群感染者とまともにやりあうことの出来る唯一の捨て駒としてしか見ていない。それでもブリアーノは反抗せず命令どおりにCH症候群感染者と遭遇してもただ単に始末するだけだった。


「CHSエネミーの認定が降りたわ。特別医療突撃班が数時間後に付近十キロ四方が封鎖されるわ」

「分かった、こっちは引き続き探し出す」

 ブリアーノは手にしたグロック9ミリフルオートのスライドを引きながら答える。目の前には二十名もの感染者。

「……長い夜になりそうだな」

 そしてまた一発の銃声が響き渡る。


 それから数時間後、ブリアーノは手にしているグロック9ミリフルオートを構える。その先には黒いフロックコートを着込んだ一人の銀髪の男が背を向けて立っていた。ブリアーノは人差し指に力を入れる。次の瞬間、一発の銃声が響き渡る。男は無傷だった。ブリアーノは再び引き金を引く。銃声、やはり男は無傷だった。

「……やっぱり、そこにいたんだな。兄貴」

 ブリアーノは言う。

「……ああ、ブリアーノか。久しぶりだな」

 男は言い返す。

「ベリア・モートン……いや、ベリア・スィット、お前を逮捕する」

「……ああ、確か死亡宣告された犯罪者が発見された際、死亡宣告が取り消される法律が最近発動されたっけか。そんなこともあったな」

 ベリアは笑う。そして言う。

「お前に俺は捕まえれない。俺は奴らに改造された兵士だ」

 そしてブリアーノとベリアはお互いに足を踏み込み、近づく。ベリアはベネリハイブリットモデルをトレンチコートの中から取り出し、トリガーを引く。散弾が飛び散りながらブリアーノに向かって飛び出す。ブリアーノは懐からインスタントウォールボールを取り出し地面に投げつける。瞬時にブリアーノの前に真っ白なコンクリートの壁が出来上がり散弾を全て壁が受け止める。

「いずれまた会うこともあるだろう」

 ベリアはそう言い、暗闇の中に消えた。

「待て!」

 ブリアーノはすばやく飛び出すが、そこにはベリアの姿は消えていた。


 数日後。今に戻る。

「こちらブリアーノ・スィット捜査官」

「ベリアが現れた。場所は惑星エリフィアスの中央都市だ」

「了解」

 そしてブリアーノは向かう。

小説ってレベルじゃねーぞ!

ものすごく……駄文です。

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