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俺が彼女に惚れるまで

作者: 元組長の息子
掲載日:2013/08/01

  

   ―ここはある県立高校の2年F組―                                                                               

授業が終わり、俺は自分の席で駄弁っていた。

(はあ、つまらないな・・・何か面白いことはないんだろうか・・・。)

と思いながら。


そう。俺にとってはこのクラスで過ごすことが退屈で仕方なかった。                                                       

・・・ところで皆さんは「文理選択」というものをご存知だろうか?            

そう。うちの学校は一応進学校であるため1年生の11月には文系か理系かを決めなければならないのだ。


普通なら皆さんはもうこの時期にはもう決めていていることだろう。しかし俺は明確な目標が無いまま選んでしまった。

その為、男子8名女子32名というクラスのまるで江戸時代の大奥にでもタイムスリップしたかのような感覚だった。  俺は(ああ、このクラスで2年間過ごすのか・・・。)と心の中で嘆きながら自分の選択ミスを悔やんだ。                                        ・・・・・・話を戻そう。俺が教室で右上の学級委員長のような誰にでも話しかけられる奴とは異なり、1人で退屈そうにしていると、俺の右端のドアが開いた。

俺がふと目をやると、その視線の先には1人の少女がいた。                

一瞬の出来事だった。俺はハッと息を呑んだ。(何て可愛い娘だろう!)         

俺はその娘の笑顔に一瞬で恋に落ちた。                         

俗にいう、一目惚れというやつだ。                              

多分何か用があって友達のところに来たのだろう。                     

そしてその少女が帰った後、授業のチャイムが鳴り、古文の先生の手の叩く音がきこえたので、俺は仕方なく黒板の方に向き直った。                      

・・・・・・それにしてもあの少女、授業の鐘ギリギリに教室を出て行ったけど、遅刻とか大丈夫なんだろうか?

俺はその日以来、ずっとその少女のことばかりを考えるようになった。           ・・・・・・それにしても、どこかで見たことがあるような、ないような・・・。         ・・・!思い出した。俺が部活を見学しようとテニスコートまで行ったら、こっちの方をみてクスリと笑った少女・・・だったのではないか?                        ・・・・・・あれ?でも変だな。だったらなぜその時は何にも思わず今こうして突然好きになったのだろう?                                         

その時の気分ってやつか? あの時はとにかく部活を見ようと必死だったので、そこまで考える余裕が無かったのか?                                

・・・・・・まあ、何にせよ、「出会い」というものは不思議なものだ。            

あの時俺がだらだらせずに別の奴と話していたら?トイレに行っていたとしたら?    

俺がその場に居合わせず、また彼女もあの時、あのタイミングでこの教室に来なかったら?偶然の出会いは無かったかもしれない。                        

いくつものパラレルワールドが考えられる中で、あの時、あの笑顔で入って来なかったら、俺の恋が始まることもなかったかもしれない。      


・・・・・・「出会い」とは、本当に不思議なものだ。

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