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未定ー。  作者: 国士無双
8/8

5



           ・1・


    

「2π×2×180/360は…何?」

「ちょっと…それ、中学2年でも答えられるんだけど…」


答えられれば苦労なんてしないんだよ。

大体、分からないものは分からないし。数学は20点以上取ったことない。


「そんな問題も答えられないなんて…。どうしてそんなんで高校入れたの?」

「"勘"だ。全問4択問題だったからな。オール満点だった」


そのせいで何故か首席で入学してしまった。

そして入学後はこのザマ…。俺の運はここぞという正念場でしか発揮されないらしい。

通常のテストでは15点がいいところなのだが、全国統一模試等では必ずBest5以内にはランクインする。


「運がバカみたいに強い…まぁ実際バカだけど。その運を何かに使えないの?」

「1度だけ麻雀をしたんだが、1時間で40万儲かった。あの時はビックリした」

「それ、どうやったの?」

「1時間で半荘(はんちゃん)70回したんだが、毎回親スタートで配牌(ハイパイ)聴牌(テンパイ)での第一ツモで自摸(ツモ)和了(あが)って天和(テンホー)だった」


つまりは、1度も一向聴(イーシャンテン)にならず、二順目の一本場で全員が跳んだ(はこった)わけだ。


「1時間に半荘(はんちゃん)70回って…」

「俺もビックリしたさ。速攻(そっこう)役満(やくまん)和了(あが)るんだから。まぁ、そのせいで友達が居なくなったけど」


ちなみに、高校1年の時の旧友だ。

旧友とよんでいいのか分からんが。


「それで商売すりゃいいじゃん」

「…その発想は無かった」

「いや、冗談(じょうだん)だから。賭博(とばく)は違法だから」

「そういや、昔から運だけはいいんだよな。何でだろ」

「パパの運を引き継いだんじゃない?」

「未来!今ソイツの名を出すな!」


今ソイツの名を出せば、俺があのマダ男の血を引いていることになるんだから!


「それは仕方ない。少なからずアンタはパパの子だから。パパとママがヤってアンタが生まれてきたのは事実。それを否定しちゃ、アンタと私は兄妹ではないことになるから。…あ!それでいいんだ!よし!今日からアンタと私は兄妹じゃない!おk?」

「No!そいつは駄目だ!そんなことになっちゃ、俺のライフラインが断たれるも同じだ!だって権力はお前の方が強いから!」

「どうにかしてコイツを追い出す方法は…」


マズい…。

この恐妹(きょうだい)(造語)が何かしでかす前に対策を考えないと。

せめて金があれば…。


「お金か…」

「いくらかならあげてもいいけど?」

「『返してよ!お兄ちゃんのバカっ!いぢわるぅぅ…』とか言わないよな?」

「うん、それよりお前は私の事を普段そんな目で見ているのかこの蛆虫(うじむし)ロリコン野郎」

「残念だな未来よ。お前にそのようなことは微塵(みじん)も|期待していない」

「そうか。それは光栄だ」


許してもらえてなによりだ。

少しだけお巫山戯(ふざけ)が過ぎた。

てか、兄妹内でこんな会話が繰り広げられてるって普通じゃないよな?


「よし。ではいくらだ?」

「30万前後でどうか」

「フッフッフ…お主も悪よのう…」

「……そのテンション飽きたんだけど」

「そうか。わかった、止める。でもそんな大金どこにあるんだ?」

「私の机の百科事典の箱の中に150万円が」


エロ本かよ!と突っ込みたいが、殺されるので押し殺した。

でも、また何でそんなところに。

しかも肝心の百科事典はどこに行ったんだ。


「何か言った?」

「い、いや、何も」

「それじゃ、待ってて」

「おう」


           ・2・  


「はい、30万円」

「どーも。この機会に銀行口座の開設しとくか?」

「うーん、そうしようか」

「じゃ、行ってくるわ」

「手ぶらで大丈夫なの?」

「手ブラ!?お前、何て事言ってんだ!」

五月蝿(うるさ)(だま)れセクハラ(くさ)れド変態(へんたい)


あ、その包丁は何処から取り出した!?

お前のポケットは四次元か!

このままじゃ俺が裸過ぎる…

何か…あ!靴篦(くつべら)

これなら包丁より断然リーチが長い!


「冗談だって!ちょっと!…お前がその気ならこっちも靴篦(くつべら)で応戦だ!」

「とうっ!」

「包丁は投げるものじゃない!それじゃ、行ってきます!」

「あ、そうだ。ちょっとまって」


何?

殺すのだけは勘弁してよ。

傷害事件には関わりたくないから。


「多分だけど、ネットでやった方が得だと思う。ポイントが付いたりするし」

「便利なご時世になったもんだ。じゃあそっちでやるよ」


ウィーン…ガガガ…


「そういえば、最近パソコン使ってないな…。ネット料金とかは知らない間に発生してんのかな」

「知らない。あ、pass(パスワード)入力画面でたわよ。早く打ってよ」


(しば)しの沈黙。





      |Now loadingなうろーでぃんぐ...(*X_X)





「何で知らねーんだよぉぉぉぉぉ!(°皿°)」

「こっちの台詞じゃぁぁぁぁぁ!Σ(°д°)」


……ハッ!

いかんいかん。取り乱してしまった。

それもこれもあのクソ親父のせいなんだが。


「今日は、あきらめよう?」

「うん、そうだね」




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