初戦
状況は切迫していた。
俺はヒカリを引っ張り近くの物陰に隠れる。
これ以上の最善策が思い浮かばなかったからだ。
「あれ、逃げちゃった系?」
地味な男にはそういわれるが、格好つけたいのかすぐに殺しにかかってこない。
なぜだろう、絶対服従だろうに。
とにかく、俺はこれからどうやったら生き残れるれるのか、それを考えるだけで頭がいっぱいだった。
いつまで待ってくれるかわからない。それは俺をもっと焦らせる。
ーそもそも絶対服従なんだよな...なんで俺は彼女と仲良くなろうとしたんだ
ー攻撃される前に騎士の鎧が光った気がする...あれは気のせいなのか?
「なにのんびり考えているのよ」
ヒカリが言った
確かに俺は長い間考えすぎていたのかもしれない
しかし前述のとおり、俺は焦っていた。
「ちょっと黙ってろ。今考えているんだよっ」
「だったら何ずっと考えているのよ。それよりも戦場では1秒が命取りでしょ。」
確かにヒカリの言うとおりだ...
またヒカリも朝とはちがいタメ口で話しているように焦っていることは明白であった。
「あーもぅ、わかったよ。」
ずっと考えていてもらちが明かない。
俺は直感に従うことにした。
そうこう言っているうちに地味な男が話しかけてくる。
「おしゃべりは楽しいかい?」
騎士の鎧はすでに剣を抜き猛スピードで近づいてきていた。
ヒカリが臨戦態勢をとる。
それに対して俺はこう言った「よけろヒカリ!」と
「はーっ?なんで戦場でずっと考えていた人に従わなければならないのよ。」
ヒカリは即座に反論した、しかし体では騎士の鎧の攻撃を避ける。
どうやら絶対服従は本当らしい。
「朝もそうだったけどなんで勝手に体が動くのよ」
「今は争っている場合じゃないだろっ。戦場だろ?」
そう言うと彼女は何か言いたげであったが黙った。
これが絶対服従による効果か彼女が納得して黙ったのか、僕にはわからなかった。
「チッ」
地味な男が舌打ちする
「ヒカリ、今だ!全力で攻撃しろ!」
ヒカリの攻撃は彼女の短剣をすばしっこくかつ高速で振り回す攻撃を行う。
これがヒカリにとっての全力攻撃であった。
確かに相手の騎士はダメージを受けていることがわかる。
とても分かりやすく鎧が傷ついていく。
騎士の鎧にはしっりと攻撃が通るようだった。
しかし、いくら攻撃しても騎士の鎧は反撃をしない。
僕は地味な男に話しかける
「もしかして君の騎士、欠陥品?
一度攻撃したらもう攻撃できないなんて。」
攻撃的な言葉にわざとした。
なるべく相手を挑発して、有利に動こうとした。
もしかしたら地味な男がした挑発は戦いを有利に進めるためだったかもしれない。
少し気持ちがわかったような気がした。
すらすらと攻撃的な言葉が出てしまう自分に驚く、がそれを気にする余裕はなかった。
地味な男は何も言わない。
しかし顔色が悪くなっていくわけでもない。
戦況を見ていると、顔色が悪くなっていくのは俺のほうであった。
ヒカリはすばしっこくダメージを与えていく。
しかしそれはヒカリにとっての全力技、長くはもたなかったのだ。
騎士の鎧の体力はだいぶ多いようである。
ヒカリは次第に息が荒くなっていく。
そしてついに騎士の鎧は剣を振り上げた、ーヒカリッ、避けろ! そう思ったが間に合わなさそうにない。
もはや俺が走ったほうが早そうであるぐらい、ヒカリは息切れしていたのだ!
俺はいてもたってもいられず走ってヒカリを抱えて避ける。
戦闘する人を失ってはすぐに殺されると思ったのである。
しかし、今回の攻撃が来たらすぐに次の攻撃が来る。
あれは必殺技か何かだったのだろうか。
「普通の攻撃もできるのかよ」
俺は相手が必殺技しか使ってこなかったから勘違いしてしまったのだ。
「これでやっと終わりか。」
地味な男が言う
「仕方ないか、こうなったらこの手を使うしかない。」
そう言ったら男は少し警戒する顔になった。
もちろんやれることはただ一つ
ヒロインを抱えて逃げる。
必殺技の動きは速かったが通常の攻撃はあまり早くない。
必殺技はタメ時間と反動があると仮定して逃げる。
今できることはそれだけだった。
それがあたりだったのか追ってこない。
体力に自信がなくても命の危機を感じると力が出るらしい。
俺はヒカリを抱え一目散に逃げて家に向かったのであった。
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地味な男が追ってくるのを想定し、近所の人を撒きやすいルートを通って家につく。
幸い今日は親が家にいない日だったのでヒカリを家に連れ込む。
ヒカリはさっきの戦いで疲労しきっていたのか、しゃべらないなと思っていたら眠っていた。
そんなヒカリをベットに置き、俺は家のソファーに座って落ちつこうとしていた。
さっきの戦いで命を落とすかもしれないと思い動揺していたこともあって、なかなか落ち着くことはできなかった。
とにかく情報が欲しい、そしたら安心できる。
俺はそう思いスマホを取り出し"コンテスト 神を決める 仕組み"
などと調べる。
結局、何の検索結果も出なかった。しかしホーム画面を見てみると追加した覚えのないアプリが追加されている。
そこには「神を決めるコンテストへのご案内」と書かれてある。
死にかけたばっかでありもはやどのような不思議なことが起こっていても大きくは驚かない。
俺はそのアプリを開いた。




