脱却しよう、不幸な人生!
3作目でございます。それでは、どうぞ!
「ふわぁ〜よく寝た〜」
今日もぐっすり。目覚ましなる前に起きれたしね!
「今何時かな…うわっ!目覚まし止まってる!?じゃあ今は?」
恐る恐る時計を見るとそこには11時27分と示されている。
「ち、遅刻だぁ!」
おはよう。いや…こんにちはかな?僕は天越 幸希、15歳。
こんな名前なのに全然運が良くない。ここに来るまでに水やりしていた人のホースが暴走してびしょ濡れになり、喧嘩したカップルか夫婦が投げたテレビのリモコンが二階の窓から飛んできて頭に直撃と散々な目に遭っている。それは今朝の朝の目覚ましも同じこと。
「ごめんなさーい!遅れまっあっ!」
ばっしゃーん
教室に入った1歩目、扉の縁に足を引っ掛け、4時間目の授業である習字で筆を洗うバケツに突っ込み服とカバンがびしょ濡れに。本日2度目である。
「天越くん!大丈夫!?」
「あ〜、教科書もお弁当も濡れちゃった〜」
先生が心配するも、僕のカバンの中は全滅だ。
「もう、保健室で着替えてらっしゃい。」
「はーい…」
服が濡れて保健室へ行くのは入学して1ヶ月の今までで11回目なんだ。もうやだ〜。
「天越くんまたなのぉ?お姉さんちゃんと気をつけてって言ったわよねぇ?」
うぅ…優しいと噂されてる保健室の成宮先生ですら柔和な笑顔で内心怒っている。
「ごめんなさい…」
「もう!今回限りよぉ?」
これももう4回目である。
そして下校時。駅では小学生の迷子と間違われとても大変だった。僕の身長は147と高校1年にしてはというより中学2年でも小さいレベルなんだ。
「はぁ、すっかり遅くなっちゃった。」
そんな事を考えて、駅から出ようとする。
「危ない!」
ん?どうしたんだろう?と前を見ると…眼前まで迫った乗用車があった。
「わぁぁ!?」
そうして僕は暗闇に意識が落ちた。
「んっ、うう…」
目を開けると白い天井が見えた。病院かな?
「起きたぁ〜?」
「ひぇ?ひゃぁ!」
なんとも情けなない声しか出なかった。
「ふぅん。起きてるし声も出せるわね。」
金髪にロングヘアのお姉さんが言う。
「え?ここどこ?」
「覚えてないの?貴方轢かれたのよ。」
いや、違うんだよお姉さん。僕はどこかと聞いたんだよ。
「覚えてるけど…ここはどこなの?」
「ここは無色世界よ。私の部屋。」
だめだ。聞いても全く分からないよ。
「僕どうなるの?」
「ふっふっふっ…よく聞いたわね!貴方はこれから転生チャンスが出来るのよ!」
ニヤけた顔でお姉さんは言う。
「転生チャンス?」
聞いたことない言葉を復唱する。
「そう!世界、ステータス、初期装備、場合によっては職業も引くことになるわ。さあ、どうぞ!」
そう言うと目の前に3つの箱が出てくる。
「これ引いたらいいの?」
「1箱につき1枚よ!」
「はーい。」
ガサガサ バサッ
「えーとどれどれ〜?」
僕から紙をひょいっとかっさらっていくお姉さん。
「お!まあまあね!説明するわ〜」
「お願いします。」
「まずね、剣や魔法を使ってモンスターを倒すような世界で、目的は特にないから自由にやって貰って構わないわぁ。次に、貴方みたいな転生者はいないから言わない方がいいわね。」
うぅ…死にたくないよ…戦わなければ大丈夫かな?
「じゃあ次どうぞ!」
ガサッ シュッ
「これはお預りしまーす。」
「教えてくれないの?」
「これは貴方が向こうに行く時に設定するのにいるから受け取っておかないと行けないのよぉ。」
それならしょうがないや。行けないのは困るし。ん?行けなかったら困るかな?わかんないや。
「最後、どうぞ!」
ガサガサ バッ
「貰いまぁーす」
これもなんだね…残念。
「向こうに着いたらステータスって言えば見ることが出来るわぁ。荷物はインヴェントリで開けるわ。」
「わかった。ステータスとインヴェントリだね!」
「そうよぉ。じゃあ、行ってらぁ〜」
「へ?うわぁ!」
足元に穴が!落ちる〜!
一回とある少年の台詞を入れようか迷いました(笑)
次回はステータスが明らかになります!
次回、お楽しみに!