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プロローグ


神様は、いるのだろうか。


小さい頃、正月、お父さんの実家に帰ると、ひいおばあちゃんの部屋には、1mくらいある観音様が三体どんと祀られていた。

私は子供心にそれを「怖い」と感じていた。

なぜならあの観音様の細い目が、そして笑っているか怒っているか分からない微笑が私の心の汚い部分を全て見透かし、そして罰せられると感覚的に感じていたからであった。


私の家はどちらかというと信心深いほうであったと思う。

後に聞くとひいおばあちゃんは、占い師をしていたらしいし、お母さんもよく深夜幽霊を見たと言って朝方青ざめた顔をしながら座り込んでいたこともあった。また母は幼少期も、様々な、心霊体験をしてきたらしかった。

そのため私の家では、お祓いの儀式だとか、神社参拝だとか、占いだとか宗教関係なくあらゆる神秘的なものにすがっていたように記憶している。


私だって不思議なことはあった。

顔も見た事のない知らないおじいちゃんと夢の中でとても楽しくうどんを食べに行っていた。その時は楽しいだとか、幸福感だとか、キラキラしていたという感想しか持ってなかったのだが、後に母の古いアルバムを開いた時にこの人夢であったことあるよと母に告げると「あんたこれ、私のおとうさんやいの」と言われ母は、少し驚いた様子であった。


またこんなこともあった。父方の母つまり私から見て祖母になる訳だが、その祖母が夢に出てきた。

その当時祖母は父の兄の家で父の兄の家族と同居していたのだが、夢でその祖母が牢屋みたいなものに監禁されている。

その牢屋の周りには何人もの観音様がずらりとならんでおり、私はそれを遠目に見ている。

あっ、夢が覚めそう。そう思った時、声が聞こえた。

「ゆたちゃん助けて」

凄く頭に響く声だった。

不思議な感覚だった。夢なのだけれどもなんともいえない夢と現実の狭間みたいな、そのくらいリアリティのある、鮮明な情景と声だった。

私は起きてこの夢のことを母に話した。

すると母は、心配やから一応おばあちゃんに電話してみようと、同居先に電話したのである。

結果、おばあちゃんは、認知症を患っており、どうゆう神経がその家の家族たちは同居先の離れに一人ぼっちで生活させふん尿も垂れ流し、食器もハエが飛ぶまで放置され、全く人間扱いされてなかったのである。

その後私の家で引き取ったのだが、あの時の夢、おばあちゃんは、私に助けを求めてくれてたのだろうか?


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