隠し部屋だってよ1
そしてその次の日。
「確かこの辺だったよな」
俺は昨日来た石の場所にもう一度来ていた。
ここに来るまでに8匹のスライムを屠り、この場所までこれた。
流石に家にハンマーはなかったので、近くの工具店で適当にでかいのを買った。
重かった。
ハンマーと一緒に買った鉄杭を石に当てて、その上をハンマーで叩いていく。
ガキン―――ガキン……
鈍い音がなり、少しずつ削れていく。
ガキン―――ガキン……
「腕がつりそう。しんどい…」
ガキン―――ガキン……
「もうちょっと…もうちょっとでやめれそう」
目測で4センチほど掘れてきた。
ガキン―――ガキン……
「あ、スライムだ。ちょっと休憩」
〈スライム撃破10EXP〉
ガキン―――ガキン……
「あ、やっと貫通した…」
鉄杭一つ分だが、ようやく穴を開けることに成功した。
「困難を乗り越えて涙が出てきそうだ。」
穴の奥を懐中電灯を使って覗いてみると、洞窟のような感じになっていた。
「やったー!苦労が報われた!何があるかはしらんけど。」
石の上で寝っ転がりながらパンパンになって明日筋肉痛が確定した右腕をさすった。
「明日は休むか」
筋肉痛になったら絶対うまく動けない。安全のために休むべきだと思う。
「ポーションがあればまた違ったんだろうけどな。よし、作業始めるか!」
ゴン――ゴン――ゴン……
さっき堀った穴を大きくするように内側から外側に穴を広げていく。
ゴン――ゴン――ゴン……
さっきよりは削れる速度が早いので、まだモチベーションはある。
ゴン――ゴン――ゴン……
お金もったいぶらずに、コンクリートぶっ壊す機械とか買えばよかった。
ゴン――ゴン――ゴン……
「ラッキー手のひらサイズの石が削れた」
ゴン――ゴン――ゴン……
「終わったー」
俺の目の前には人が2人はちょっと無理かもしれないが、1.5人は入りそうな大きさの穴ができていた。
「よし、入るか」
石付近の土に鉄杭を刺して、その鉄杭に道具を買うときに一緒に買ってきたロープを結びつけ、ロープを穴の中に投げ込んだ。
穴の深さは見た感じ3メートル無いくらいなので、飛び降りても死にはしないだろうが、足捻ったら戻れなくなりそうなので、慎重に、慎重に穴の底まで降りていった。
「足が届きそう…届いた。」
〈称号『1階層の隠し部屋』取得〉
「ん?なんか称号ゲットしてる」
なんか変な感じがしたので、ステータスを開いてみたら称号『1階層の隠し部屋』というものを取得していた。
「つまり目の前にあるこのでっかい扉が隠し部屋ってことでOK?」
目の前の扉に力を賭けて押し開いた。
「チートほしいな」
邪な気持ちを抱きながら
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