スライム刈り2回目
「2回目のダンジョンだけど、なんか感慨深いものを感じるな」
ダンジョンの階段を降りた先であたりを見渡し、そうつぶやく。
ダンジョンの中でモンスターと戦うドキュメンタリー番組を見ても、誰も1階層を写すことはない。
殆どの探索者は武器を整え2階層から始める人が多い。
そっちのほうが金にもなるし、経験値効率がいいからだ。
それと、1階層の入口の階段と、2階層の入口の階段とでは50メートル程度しか距離が離れていない。
だから誰も探索せずに2階層に降りていくのだ。
「でも、人が居ないのは好都合なんだがな。」
人に見られてたら絶対うまく動けないし。
独り言をつぶやいて、近くのスライムに向かって歩いていき、ロッドでぶん殴った。
〈スライム撃破10EXP〉
スライムの居たところに落ちていたスライムの核を拾い、次に近いスライムの元へ歩いていった。
『ピグ?』
〈スライム撃破10EXP〉
〈スライム撃破10EXP〉
〈スライム撃破10EXP〉
スライムを倒しながらどんどん奥に進んでいく。
お父さんが昔趣味でダンジョンに潜っていたときの記憶を頼りに造ってくれた指南書的なものに従いながらどんどん歩いていく。
ダンジョンで絶対気をつけること其の一
ダンジョンでは戦闘中、逃走中以外絶対に走らない。
ダンジョンの1階層とはいえ、危険なダンジョンには変わりが無いので、安全にはしっかり注意して進まないといけない。
お父さんがよく俺が探索者になりたいって言ったときも
「探索者になるのは、夢があっていいと思う。でもダンジョンができて200年経つけど分かっているのはほんの一握りの情報だけだから一階層でドラゴンが出るかもしれないし、最下層でスライムが出るかもしれない。だから、何かが起こっても慎重に『逃げる』ことから考えろ。昔の小説でピンチになった時強くなるとかあるが、勝てないときは勝てないから。」
とよく言っていた。
闇が深い感じがするが、気のせいだろう。
そのへんのことは考えないようにしている。
「いって」
考え事をしていたら、足元に何かがあり、転けてしまった。
「石?」
一度離れてみてみると、一辺2メートル程度の大きさの四角い石が地面に置いてあった。
これは置いてあるとは言えないかな?
ダンジョンのオブジェクトとしてそこにあった。
「すげー気になる。」
明らかに何かが隠されているような見た目をしている。
「ふんぬー」
石を持ち上げようとしてみたが、びくともしない。
もしこれが水だったら?
200×200×5(分厚さ)=200,000グラム=200キログラム
石だからその2倍はありそうだから…400キロ以上。
無理。
「明日ハンマー持ってこよ」
時間がやばかったので、帰路についた
本日4話目
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