職業タイトルコレクター
はじめましての方ははじめまして
「委員長」
「起立、姿勢、礼」
「「「ありがとうございました。」」」
「じゃ、また明日も学校だからちゃんと来いよ」
学校のSHRを終え俺は一目散に帰路につく。
4月25日、今日は俺の誕生日だ。
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「只今お父さん」
「おかえり。ってもう準備して、もう行くのか?」
「勿論!時間がもったいないから早く行こ!」
「はいはい、先車乗っておけよ」
「分かった!」
今日は待ちに待った16歳の誕生日。
ダンジョンに潜れる探索者になれる年齢だ。
「準備完了!行くぞ春馬」
「レッツゴー!」
俺の名前は風見春馬どの高校にでもいる屈指の陰キャだ。
友達は0、彼女なんているわけがない。だが、この時代において、高校生で探索者であるということは一種のステータスだ。
これを使って目指せ彼女!
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10分ほど車で移動し、到着した。
ここは“Tokyo Dungeon”世界唯一のダンジョンであり、日本が世界一の国になる要因となった場所である。
ここから俺の伝説が始まった。的な?
「クソ長い」
そう、クソがつくほど長いのだ。かれこれ説明を30分ほど受けている。
その殆どが調べたらわかる、この世界では日常としてしられているようなことがほとんどなのだ。
「以上で説明を終わります。こちらの書類等に後ほど目を通すなりして確認しておいてください。では、良いダンジョンライフを。」
「ありがとうございました」
部屋から退室して、お父さんからダンジョンに入るために必要なカードを受け取る。
『Player Card』これがないとダンジョンに入ることができない、超重要アイテムだ。
電車のSU○CAのように『ピッ』とするだけで入ることができる。電車と違うところは、『ピッ』ってやったときに、生体認証されて本人以外が使うと、警備員がすっ飛んでくる。
「じゃあ、お父さん2時間後」
「おう、先に帰ってるから。慌てて足元すくわれるなよ」
「分かってるって」
俺は『ピッ』と、してダンジョンの中に入っていった。
正確にはここはまだダンジョンじゃないよ。
ダンジョンの入口まで続くトンネルの入口だよ。ダンジョンの1階層に入るには20メートルのトンネルを抜けた先にある階段を下らないといけない。
しばらくしたら階段が見えたので、恐る恐る下に降りていった。
★
「わーすげー」
階段を降りた先は見渡す限りに『緑』が広がっていた。5センチ程度の高さの草が一面に広がっていて、見渡す限り『草』『木』『岩』時々『花』『スライム』しかない。
「早速ステータス取得しないと」
俺はステータスを見る方法―左手の指2本を左上から右下まで動かす―をした。
そうすると開かれた画面に『ステータスを取得しますか?』と出たので、「取得します」と言うと、画面が変わった。
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名前:KAZAMI HARUMA
ID:JzHw86iNsjDpB3CN
SEX:男
AGE:16
JOB:タイトルコレクター
SubJOB:―
Lv(EX):1(0/1000)
HP:2000
SP:1000
MP:1000
STR 500
DEX 500
VIT 500
AGI 500
INT 500
MND 500
LUK 500
CHA 300
SKILL
JOBSKILL
実績リスト 称号リスト 図鑑
履歴
・初めてダンジョンに入場
・ステータスを取得
・
・
・
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以下説明。知っている人がほとんどだと思うので簡単な説明にしました。
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ID 識別番号
SEX 性別
AGE 年齢
JOB メイン職業
SubJOB サブ職業
Lv(EX) まんまレベル(EXP)は経験値/レベルアップまでの経験値
HP ヒットポイント
SP スタミナポイント剣技とか使ったり、走ったりすると減る。
MP マジックポイント魔法使ったりそういった系のアイテムを使うと減る。
STR 力、ムキムキ
DEX 器用、手先補正
VIT 防御、SP消費を軽減
AGI 俊敏 早くなる
INT 魔法攻撃力、知力
MND 魔法防御、MP消費軽減、状態異常レジスト
LUK 運
CHA カリスマ、魅力
SKILL スキル
JOBSKILL 職業固有スキルまたは職業補正のかかるスキル
履歴 行ったことが表示される。例えば作者だと・保険の授業終了9:49 って感じ
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タイトルコレクター
風見春馬のユニークジョブ。自身がLv1のとき、実績リスト、称号リスト、図鑑、が使える。
実績をクリアすることで、アイテム、スキル、時にはサブ職業などの恩恵がある。
タイトルコレクターだけの特別な称号があり、入手でステータスが上がる。
LVUP補正:全ステータス▼▼
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実績リスト
タイトルコレクター保持者が挑戦できる実績が表示されている。
実績によっては他の実績、称号を入手しないと挑戦できないものもある。
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称号リスト
全ての称号の入手方法がわかる。
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図鑑
各階層で入手できるアイテム、出現するモンスターの情報が書かれている。ただし、倒したことのあるもの、手にとったもののみ表示
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「実績称号図鑑がどれくらい強いのかによってはめっちゃ弱いぞこれ。全ステータス2段階低下はよほどのことがない限りただ弱いだけだぞ。」
俺の調べた内容では、▼一つに付き、+2.5割減る。
初期ステータスはすべての人間が同じで、補正なしで1レベ上がるごとにCHA以外が100上がり、CHAが50上がる。▼▼だとちょうど半分になるから、CHA以外が50、CHAが25、1レベごとに上昇することになる。
「実績リスト」
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挑戦可能実績
・脱初心者☆
・1層マスター☆☆☆
・採掘初心者☆
・冒険初心者☆
・ウォーキング☆☆
・やりこみLV1☆☆☆
・ガチ廃人☆☆☆☆☆
・ダンジョンマスター★★★★★
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「やっぱりまずは、脱初心者を挑戦して、1層マスターをクリアするまで、1階層から出ない!」
自ら縛りを入れて、モチベーションを維持する。じゃないとこのジョブの成長率は本当に心が折れそうになる。
実績リストに書かれている[脱初心者]をタップしたら、ミッションのようなものがいくつも表示された。
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脱初心者
・スライムを倒せ(0/10)
・宝箱を開けろ(0/1)
・落とし物-スライムのドロップアイテムを拾う(0/10)
・きれいなスライム-色付きスライムを倒す(0/1)
・強くなる-Lv2になる(0/1)
・帰るまでが冒険-ダンジョンから出る(0/1)
報酬:EXP1000・称号[初めの第一歩]
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「思っていたより簡単なミッションだな。」
スライムは見える範囲に10匹以上はいるし、遠目に宝箱もある。
俺は一番近くのスライムに近づき、持ってきたナイフを両手に持った。
「喰らえ!」
それをスライムに振り下ろしたら、スライムの身体が破裂し、スライムの身体が消えていった。