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美容室で髪を切ったらモテました。  作者: ねがえり太郎
おまけ3 僕から見た彼女2
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彼女は女の子

本編を読み直していて思いついたおまけ話を追加します。

クリスマス・デートのお話です。

 女の子って不思議だ。


 男と全然違うんだ。柔らかい頬っぺた。長い睫毛。サラサラふわふわの髪の毛。

 小柄で華奢な体。折れそうに細い腕―――だけど、けっこう力持ちだったり、夢の中から出て来たようなお人形さんみたいに現実感の無い容姿や格好をしているのに、口から出る言葉はとても現実的だったりする。


 彼女は美容師。キビキビ働く立派な社会人だ。

 だからクリスマス・イヴに休みなんて、取れる筈がない。こういったイベントは、イコール悉く彼女の書き入れ時なのだから。俺の彼女は世の中の恋人達の幸せを演出する小さな魔女さん。かつて俺に魔法をかけた時のように……お客さんがいつもより綺麗になる手伝いをして、笑顔で美容室を飛び出して行くのを誇らし気に見守るのだろう。


 そんな訳で十二月の中旬。僕達は早めのクリスマスを過ごす事にした。行先はS'ファクトリーのアトリウム。この時期になると毎年、立派な本物のトドマツを広尾サンタランドから寄贈してもらいクリスマスツリーを飾り立てるそうだ。夕方から始まるイルミネーションもなかなか見物らしい。

 そう言うイベントがあるって言う噂は聞き及んでいたけど、どうせ恋人同士のイベントだからと敬遠して来た。リア充ばかりの場所に出掛けたって面白くもない、なんて。でも彼女からちょっと早いクリスマス・デートをしよう!と誘われたなら―――一も二も無く頷くに決まってる!


 S'ファクトリーは開拓使時代のビール醸造所があった場所に作られた複合型ショッピングセンター。映画館やゲームセンター、雑貨やスポーツ用品から家具まで買える様々な店舗が入っていて、レストランや喫茶店もある。アトリウムではバンド演奏やラジオの公開録音なんかのイベントをやる事もあって、札幌駅から少し距離があるけれどほとんど外に出ずに遊べるから、家族連れが休日を過ごしたり、恋人同士のデートに使われる事が多い……って、ほぼネット情報から引き出した知識。実は中学生くらいに家族と訪れた事はあったけど、高校以降は母親から誘われても断っていた。わざわざ休日に家族と買い物とか食事って言うのもなんか恥ずかしかったし。


 ちょうど講義は午前中にヒトコマだけ。午後の講義は担当教授が台湾の学会に出席するとの事でリポート提出に変更されたから、地下鉄駅で待ち合わせて目的地まで歩いて行く事にした。




「待った?」

「ううん、今来たとこ」




 駅の改札の前で待っていた彼女は今日は肩までサラサラストレートの明るい茶髪、白いうさぎみたいな温かそうなコートに赤と黒のチェックのたっぷりとしたミニスカート。膝上まで包み込むような黒いブーツを履いていて、何故か大きめな丸い黒縁の眼鏡をしている。


「あれ?眼鏡……」


 両目2.0って聞いてたのに。

 すると、彼女は得意げに眼鏡のツルを抑えて少しだけ背を逸らした。腰に手を当てポーズをとってニコリと笑う。


「どう?頭良さそ?」

「ぷっ……!」


 思わず噴き出してしまった俺。


「何で笑うの?!」


 彼女は拗ねたよう両手を握って、僕に抗議の目を向けた。

 だけど笑いも止まらないから、心情を釈明するのは難しかった。




 ああ、可愛くて仕方が無い。

 小柄な彼女の拗ねた上目遣いも、ふざけてポーズを取る得意げな顔も。

もうちょっと追加できたら良いな、と思っています。

でも波瀾も何もないノロケ話で終わると思います…。

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