第22話 熊鍋なのじゃ!
へへ、投稿遅れてすいやせん
なにしろ第一話から一切書き溜めがないもんでねへへへ
毎日ギリギリいっぱいでげすよ
教会に併設されている施療院の一室にて男が一人眠っていた。男に目立った外傷はないが時折苦しそうにうめいては寝がえりを繰り返す。その様子を心配そうに幼女がのぞきこんだ瞬間、男の目が見開かれる。
「っここは……」
「おっ!起きたな!……せんせぇ!グリンドが目を覚ましたぞ!」
幼女が喜びけたたましい声を上げて先生こと神父のギルを呼びに行く。呼び出されたギルはあまり大きな声を出さないようにと幼女ことルルに注意しながら眠っていた男、グリンドに話しかける。
「ルルさんもう少しお静かに……グリンドさん、聞こえますか?指は何本に見えますか?」
「ん、ああ、すまねぇ……大丈夫だ。三本だな」
「意識もしっかりしていて大丈夫そうですね、安心しました。ちなみにここは教会の施療院ですよ」
グリンドは呼びかけに応じ指の数を答えながら、なぜ自分がこんなところで寝ているのかと必死に記憶を掘り起こす。
たしか朝依頼を探しに行くと黒い塊が転がりこんできて、それが幼女でシスターだった。意味が分からん、まだ頭がボケてんのかと頭を振り必死に思いだす。
懸命に思いだした結果ボケてはおらず事実だったわと納得し、その後依頼を受けて嬢ちゃんの冒険ごっこに付き合ったはずが熊と戦い、その後に……
「そうだ、俺は負けたんだ……」
熊を倒した後イタチとゴブリンの混成パーティーに遭遇し終始手玉に取られなすすべもなくやられた。こちらの狙っていたことをそのままやられた。やぶれかぶれの特攻も通じなかった。完敗だった。そこまで思い出し、だからこそ何故ここに自分がいるのかまるでわからなかった。
「すまねえ、なんで俺はここにいるんだ?」
「ん?怪我をしたからに決まっておろうが」
「いや、そうじゃなくてだな……」
わからず近くの人間に聞くも、何がわからないのかがわからないルルは首を傾げながらある意味当然の答えを返す。
「俺はイタチどもに負けたはずだろ?あの後何があったんだ」
「んっふっふ~決まっておろう!わしがやっつけたのじゃ!こうギュルンとやってドスンとやってカッじゃ!」
グリンドの質問にルルが得意げな表情で擬音ばかりでよくわからない説明を身振り手振りで語る。聞きはしたがまるでわからなかったグリンドは、これ以上聞いてもらちがあかんとギルの方へと視線をよこす。それを受けてギルが微妙な表情で説明をする。
「まあ言いたいことはわかりますが、私にもよくわかりません。ただ、ルルさんに言われて瀕死のあなた方を迎えに行ったところ、爆発跡にあなたたちだけが倒れ伏していたという話でして」
「ッ!そうだ!他の奴は無事か!?」
「ええ、全員無事です。皆さんはすで目覚められております。むしろあなたが一番危険な状態だったんですよ」
「ふぅ……そうか、そいつはよかった」
わからないということを理解したところでようやく自分以外の仲間はどうなったのかと思い至り、安否の確認を終えグリンドは安堵の息をつく。話が一区切りついたのを見計らいルルが飛びつくように話しかける。実際ベッドまで飛びついている。
「で!もう元気なんじゃろ?じゃろ!?」
「傷自体は治してあるのでもう後は体力と後遺症があるかどうかくらいですね。体に違和感などはありますか?」
「ん……ああ、大丈夫だ、良く動く。すまねぇなギルさん、世話をかけちまった」
「いえ、皆さんにも聞きましたが妖怪が出たとの事。しかもパーティーを組んでいたという話ではないですか。こうしてルルさんを無傷で帰してくれただけで十分ですよ」
「そうかい……ん……無傷?」
ベッドから降り体を軽く動かし体調が完全に回復していることを確認したグリンドは、ギルと会話をしながら違和感を覚える。
ルルは妖怪の一撃を完璧に喰らって吹き飛んだはずだった。脱力している状態に鎧も装備していないのに無傷は有りえない。最悪即死してもおかしくないはずだった。あれはカラの魔法で癒せる怪我ではないはずだと思考が巡る。
「どうしました?」
「いや……なあ嬢ちゃん」
「わかっておる!熊じゃろ!ちゃんと持ち帰っておるでな!今はおぬしが起きるのを待ってたんじゃよ!いつでも食べれるぞ!ちゃんとおぬしが起きるの待ってたんじゃよ!えらいじゃろ!」
グリンドが声をかけるとルルは勢い良く返事をする。どれだけ熊を食べたかったのかわかるほどであるが、それ以上にそれを我慢して待ってたわし偉いと誉めろオーラを放つ。
「お、おう、えらいな、よく我慢してくれた、ありがとう」
グリンドは沸いた疑問も言えずルルの勢いに流されてしまう。なにはともあれ今は全員無事に帰れたことを祝おうと、ルルに促されるまま熊料理のもとへと歩を進めるのだった。
◆
熊料理の場へと向かう途中、緑の手の仲間達と合流する。皆聞いていた通りピンピンしているのを確認するとようやく胸をなでおろす。聞いてはいても実際に見るまでは安心できなかったのだ。
「よかった、おはようグリンド」
「おう、お前らも無事で何よりだ」
「じゃあ食いに行こうぜ」
「少しだけ残念ではあるがな」
「んだぁ?俺が寝てた方が一人分多く食えたってか?」
「そう言う訳ではないんだがな」
「あん?」
煮え切らない態度のカズに引っかかりながらもギルドの酒場へと場所を移し、熊料理を囲み皆でつついているとギルド受付のトクに話しかけられる。
「しかしすげぇな、これはロクがやったのか?」
「へ?何のことですかおやっさん」
「うま!熊うまー!味が染みてるのー!熊の手!?これが熊の手か!」
何のことかわからないグリンドはそう答えるしかなかった。それにかまわずトクが続ける。
「何ってだから熊の事だよ。頭から股にかけて真っ二つじゃねぇか。半分は妖怪に盗られちまったって話だが、まぁ上出来だな」
「へぇ……そうなんすか」
「熊の血って飲むとポカポカするのー!ぽっかぽかじゃ!ぽっかぽか!」
聞いてもやはりわからない。だが妖怪に盗られたと言ったのはわかる。そう言えばあのイタチは熊を寄越せと主張していたなと思いだす。
「カズ、お前が言ってた残念だってのは……」
「そういうことだ」
「ああ、なるほどな」
「心臓!?心臓って肝じゃろ!わし食べちゃってもいいのか!?え?違うのか!?でもいただきまーす!!」
つまりイタチは自分たちを倒した後、奴らの取り分を取り、あとはどうでもいいと引き上げたのだ。
イタチの興味は最初から熊にあり、自分たちには全くなかったと理解すると、こうして無事に帰ってこれたことにも納得がいき、胸にすとんと落ちる感覚を覚えた。
「命を見逃され、熊まで譲られたってことか……クソが」
今回は完敗だった。だが生きている。次会うときはこうはいかぬと決意を新たにするグリンド達、緑の手であった。
「ほれほれ!グリンドも辛気臭い顔しとらんで食べるんじゃ!うんまいぞ!ほっぺたおちるぞ!」
一方ルルは平常運転であった。
自分たちがこうして無事に帰れたのは、
の一文が重複していたので修正しました。




