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第13話 初仕事なのじゃ!

全力疾走じゃよ!

緑の手じゃよ!


の二話において緑の手のメンバーの軽い外見説明を足しました。


グリンド:短髪緑髪の青年

ロク:体格の良い青髪短髪の青年

カズ:赤い髪を耳に被るまで伸ばした青年

カラ:金髪を肩まで伸ばした優しげな青年

「賑やかしでは駄目か?」


「当たり前じゃろ!べ~じゃ!」


 グリンド達がトクに詰め寄られている間、ギルドの酒場ではパーティー内での役割について盛り上がっていた。賑やかしを一押ししてくるカズにルルは舌を出して文句を言う。


「そもそも賑やかしってなんじゃ!役割じゃないじゃろ!」


「まあまあ、ムードメーカーというのも大事だよ。暗い雰囲気で仕事をするのは辛いからね」


「ほほー!意外と重要なんじゃな!」


 カラに説明され簡単に丸め込まれ納得するルル。素直な良い子であるが、騙され易すぎることに少し不安を覚える二人。


「お勧め」


「とは言えそんな役割はないけどね」


「騙したな!」


「違う、からかっただけだ」


「同じじゃ!」


「よう、今日の仕事は子守かい?」


 益体もない話を続ける三人に、紫髪をバンダナでとめた飄々とした雰囲気の青年が話しかける。その言い分にすかさずルルが不満を漏らす。


「子守ってなんじゃ!わしらはこれから仕事を受けるところじゃ!ほれ、おぬしらも何とか言ってやらんか!」


「うん、まあそんなとこだね」


「間違ってはいない」


「なんでじゃ!わしら同じパーティーの仲間じゃろ!?そもそも誰じゃお前は!」


「俺はダオナン。よろしくな!見たことない子がいるから気になってな。んで、パーティーの仲間ってどう言う事だ?子守じゃないのか?」


 軽い口調だが鋭い視線を飛ばすダオナン。ふざけた回答をすればどうなるか目が物語っていた。


「あまり馬鹿にするでないぞ!わしすっごいんじゃぞ!」


 それに気付かずふざけた回答を繰り返す幼女。それをスルーし真剣な顔で答えるカズとカラの二人。


「大丈夫だ、囮ではない」


「心配しなくても大丈夫だよ」


「おう、それならいいんだけどな。まぁ頑張れよ」


「なんじゃいあの無礼者は!」


 必要なことは確認できたと手をひらひらと振りながら軽い言葉をかけて席を離れるダオナン。ルルからすれば煽るだけ煽ってどこかへ行ったダオナンに不満を隠せない。


「まあまあ、彼も心配してくれてたんだよ」


「どこがじゃ!」


「それより、グリンド達が帰ってきたようだぞ」


「おお!どんな依頼を受けたんじゃ!」


 不満顔を一転させ、期待に胸を膨らませ合流したグリンド達にワクワクを隠そうともしない笑顔を向けるルル。


「おう!ちょっと森に行って薬草採ってこいだとよ!」


「なんじゃそれー!もっとかっこいいのないんか?」


「うるせえ新入り!依頼のえり好みができる身分だと思うんじゃねえぞ!」


「ぶー!ぶー!」


「それにそこまで馬鹿にしたものでもないぞ」


「そうなのかや?薬草を採るだけじゃろ?」


「油断は禁物だ」


「ええ、村の周りのモンスターは粗方駆除されてはいますが、依然として森というのは油断できる場所ではないですよ」


「そうなのか!わかったぞ!油断せずに行くぞ!ついて来い皆の者!」


 そう言うとさっそく冒険へと駆け出そうとするルル。それを慌てて諫めるグリンド達。


「まてまて、今油断しないっていったばっかじゃねえか!いきなり油断してんじゃねえよ!」


「む?油断なんぞしとらんぞ?」


「準備が必要だ。着の身着のままで行ける様な依頼は存在しない」


「そういうわけだ、受けて即出発なんてできるもんじゃねえんだよ。それに見りゃわかるだろうが武器や防具すら持ってないんだぞ」


「だから宿へ装備を取りに行ってくるよ、ちょっとここで待っててもらっていいかな?」


「そういう事なら仕方ないの!わしはなにを準備すればいいかの!」


「嬢ちゃんは新人だからな、何も用意しなくていい。まぁ待ってる間森がどう言うところかおやっさんに聞いてると良い」


「じょうほうしゅうと言う奴じゃな!あいわかった!大船に乗ったつもりで待ってるがよいぞ!」


 言うが早いかカウンターのトクのところへと特攻するルル。それを見送りながら、あれを制御するのは一苦労だなと覚悟する面々であった。

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