編集さんとお寿司
先日編集さんと一緒に回転寿司に行きました。止まっているお寿司は僕にはまだ早いという編集さんの考えでしょう。それなりに売れればきっと連れてきてくれるはずです。恐らく。
編集さんとこういったお店に来るのは初めてなので、僕はウキウキしていました。編集さんと二人っきり。思いっきり楽しませていただこうではないでしょうか。
僕らはイカやまぐろやイカなどを食べて楽しみました。偏っている気がしますが問題ありません。編集さんが次から次に取ってくれるので僕が好きなネタを取れないわけではないのですよ。断じて。
編集さんは口を開きます。
「ライトノベルを作るのもお寿司みたいなもんだね」
「どういう意味ですか?」
たくさんのネタの中から選ぶという意味でしょうか?
「イラストさんの新鮮なネタ、そして固すぎず柔らかすぎないシャリという文章。これらが合わさって良い本ができるんです」
なるほど、素晴らしい例えを出してくれました。本当に編集の鑑です。尊敬してます。こうして作家のモチベーションを上げてくれるのがデキる編集なのです。
しかし、先程の例え、なかなかにうまいものです。確かにライトノベルは手にとってもらう時はジャケットがかなりの要素を占めているのは確かです。手にとってもらわなければ始まりません。そして手にとってもらったその手を離させない文章。
もっと言えば「わさび」というアクセントを編集さんとして入れていいと思います。ちょっとした刺激が食欲をそそるのです。あくまでも下手に出る編集さん。その姿勢に完敗です。
編集さんは続けます。
「知ってますか? 最近のお寿司のシャリって機械で全自動で作られるんですよ」
「⁉」
その後の味は覚えていません。