〈風車の章〉あらすじ-1 / 人物紹介
14歳の春休み。両親と共に千久楽へ越してきた深鳥は、祖母が一人で住む家に同居することに。
挨拶がてら近所の神社にお参りすると、宮司の息子・聡が出迎えてくれ、深鳥と聡はすぐに仲良くなる。
聡に誘われて、神社の裏にある〈入らずの森〉へ足を踏み入れた深鳥。しかし、不思議なささやき声を追っていくうちに、一人だけ異空間に引き込まれてしまう。
気がつくと、目の前には見覚えのある少年・快晴がいて、かつて夢の中で出逢っていたことを深鳥は思い出す。
快晴によると、ここは現実と隔たった空間で、昔から神隠しに遭った人が迷い込む場所。千久楽の人々からは〈庭〉と呼ばれているらしい。
もう来るなと快晴は警告するが、来たいと食い下がる深鳥に、しぶしぶながらも了承する。
*
新学期、転校先の中学校で、深鳥は同じクラスの蒔と仲良くなる。そして放課後、一緒に見に行った剣道の試合で思いがけなく快晴を発見する。
どうやら快晴は深鳥と同じクラスらしい。
そんな折、舞手の後継である快晴は、祭に向けて代役を立てることを宮司に申し出ていたが、急きょ、深鳥を舞手に指名する。
聡をはじめ、周囲は戸惑いを見せるが、最終的に深鳥が舞手になることが決まった。
そこへ、かつて快晴の舞の相方だった那由他も帰ってきて、祭に加わることに。
*
千久楽の春の祭、風花祭――奉納舞の最中、舞台に置かれた石に足を取られ、落ちそうになる深鳥。
間一髪で快晴が救いだすものの、快晴は手に怪我を負ってしまう。
一方、那由他は石を置いた犯人に心当たりがあるようで…
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幾生 快晴(Ikuo kaisei)
20××年 1月20日生 みずがめ座
14才/中学3年生
ほとんど笑わない。独力で生きてきたせいか、人を寄せつけず少々ひねくれている。涼し気な顔の下に隠された感情は…… 舞手の男手(後継)
時村 深鳥(Tokimura Midori)
20××年 3月3日生 うお座
14才/中学3年生
優しく澄んだ心を持つが、けっこう天然。背中に不思議な羽根を持ち、誰も見えないけれど快晴には見抜かれてしまう。快晴に選ばれて舞手の女手に。
宮森 聡(Miyamori Satoshi)
20××年 4月21日生 おうし座
13才/中学1年生
穏やかで礼儀正しい。神社の跡継ぎで何かと深鳥をサポートする。
快晴のことを警戒している。かなり耳が良い。
荒谷 那由他(Araya Nayuta)
20××年 7月24日生 しし座
21才/神社のお手伝い、講師、諸々
目立つことが大好き。熱く豪快だが、どこか冷めている。巨漢で女好き。
かつて舞で快晴と組んでいた。風を読む力は絶大。
香芝 蒔(Kashiba Maki)
20××年 7月7日生 かに座
14才/中学3年生
深鳥のクラスメート。サバサバした性格で世渡り上手。最近は深鳥をマスコットのように可愛がり、癒されている。幼い男子は大嫌い。
衣川 然青(Igawa Sao)
20××年 12月8日生 いて座
14才/中学3年生
隣のクラスのキレイで大人っぽい女の子。剣道部マネージャーで快晴に想いを寄せている。
時村 草治&菜実 … 深鳥の両親。
時村 ハナ …深鳥の祖母
宮司 … 聡の父親で神社を守り、祭を仕切る。千久楽の行く末を案じている。