表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Flap  作者: くり
8/13

恋動

14話















「…え?!

好きって……え?!?!」












「ずっと好きだった。」











「……町村君のことそういう風に見たことなかった。」












「そりゃそうだよ!だってお前、矢吹のことしか見てなかったじゃん。」












……。






ちょっと待って。

気持ちの整理がつかない…。





いつもあんなに

からかってきて、馬鹿にしてきて



その人が


…私のことを……?






頭の中が混乱していると、

町村君が言った。








「びっくりさせてごめん。でもほんとの気持ちなんだ。初めは告る気なんてなかった。でもお前が矢吹のこと好きになってから、お前の悲しい顔をよく見るんだよ。」










「俺にしとけばいいのにって思った。」






「俺だったら、水谷を泣かせたり、無理させたりしない。」








「お前がまだあいつのこと好きだとしても、俺の気持ちは変わらない。ぜってーー諦めねーからな!」






このとき

淡々としゃべる町村君がいつもよりかっこ良く見えたのは事実だ。






そして彼は最後にこういった。








「この告白の返事は、俺がもうちょっと頑張ってからにして。絶対俺のこと好きにさせてやるから。」












(町村君…。)











私は何も言わず、うなずいた。








「よし!んじゃ帰るか!」











「あ、もうこのすぐ近くだし、ここでいいよ!今日はほんとにありがとう!」










「…分かった。じゃあまた明日な。」










「うん!ばいばい!」













手を振りながら町村君を見送り、見えなくなったらダッシュで家に帰った。







家に着くと、ただいまも言わないで自分の部屋にこもった。













…ちょっと待ってよ…。







私、町村君の気持ち全然気づかなかった。





…町村君はどんな気持ちで私を助けてくれていたんだろう。









「私ってほんとバカ…。」


















_________________________________
















(めっちゃ暗くなっちゃったし!)










綾芽は一人で帰っていた。





(まさかあんな時間かかるだなんて…)






綾芽は先生に補習の手伝いをさせられた。



成績学年トップの綾芽は、先生一人だと補習が進まないから、教える側で手伝いをさせられたのだ。









綾芽は電車から降り、駅から歩いていた。


少し歩くと公園が見える。












…ん?



なんかブランコに人がいるよーな…











え、あれって…












「町村君?」













「え!神崎じゃん!」











そう、町村洸だったのだ。











「こんなとこでなにやってんの?」











「神崎こそ!」










「いや、私の家、この近くだから。」











「あ、そういえば水谷の家の隣って言ってたもんな…」











「そうそう。で、町村君は?」











聞いたが、

町村は笑って顔を伏せてしまった。








そしてここで神崎綾芽の勘の良さが働く。











「美麗となんかあったんでしょ。」











その瞬間、

町村がバッと顔を上げた。












「やっぱり…。」












「…勢いで告っちゃった。」











「え?」











「告白したんだよ、水谷に。返事はもらってないけど、まあフラれるだろーな。」











町村は苦笑いをした。











「かっこ悪いよなー。勢いで告白して、フラれるのが怖くて 返事を待ってもらって。

…だっせー。」











また苦笑いをし、顔を伏せた。










そんな町村を見て、綾芽は言った。










「そんなことないけど?」












町村は顔を上げた。











「…告白できるなんてすごいじゃん!自分の気持ち伝えるってほんとすごいことだよ。」









「私、告白したことないの。好きになっても絶対自分から動かないし、ただ想ってるだけ…。」






「この前美麗にえらそうなこと言ったの。告白の大切さとかね…。でもそれは自分自身に言い聞かせてたんだと思う。」








「私…自分に自信がないの。」











綾芽は悲しそうに笑った。










「…神崎でもそんなこと思うんだな。」











「私でもってどういうことよ。」












二人で見つめ合い、笑った。












「…誰だってそうなんだよな。

誰だって自分に自信ないし、誰だって告白なんて簡単なことじゃない。」





「なんか神崎のおかげで元気出たわ!」







町村は笑って言った。










「なら良かったけどー。」










綾芽も笑顔で答えた。












「あぁ、そうそう!お前、自分に自信ないとか言ってたけどな、お前のこと好きなやついっぱいいるぞ?」











「は?」












「お前のこと、めっちゃ可愛いとか付き合いたいとか思ってるやつが俺の周りにいっぱいいるってこと!だからもっと自信持てよ!」












「…町村君は?」













「え?」












「町村君は私のことどう思ってるの?」












綾芽は無意識にそう聞いてしまっていた。





そしてハッとなって、町村の顔を見た。






そしたら彼は少し悩んでから笑ってこう言った。












「すっげーいい人!!」












町村はニコっと笑った。









綾芽はその笑顔をずっと見つめていた。
























いろんな恋が動き出すーーーーー






まだ始まったばかりだーーーーー



































最後までよんでいただき、ありがとうございます!

感想とか待ってます!(*゜ー゜*)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ