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Flap  作者: くり
12/13

すれ違い








「なに?話って。

・・・ってだいたい分かってるけど。」





矢吹くんはクスリと笑い、そう言った。

そして続けて言った。



「さっきのこと、、だよね?」



私はうなずいた。



そして理由を聞こうと口を開けると、

矢吹くんはそれを さえぎるように言った。




「なんとなく。」





「え?」






「なんとなくだよ。別に深い意味はない。気にしないで。」





矢吹くんは素っ気なく言った。




なんとなく?


なんとなくってなに?


意味はない?

なにそれ・・・なにそれ・・・



私は気がついたら涙を流していた。





「・・・なんで。なんでそんなに冷たいの?

私が告白したから?・・・私は前みたいに一緒に笑ったり、普通にしゃべったりしたいの。それだけなのに・・・もう私のこと嫌いになっちゃった?友達でもだめ?・・・」









バッ








泣きながら言う私を矢吹くんはまた・・・





「ほら。また。またハグする。理由を言ってよ・・・私ばっかりドキドキしてずるいよ」




私は泣きながら訴えた。




「水谷・・・俺の心臓の音聞こえる?」




矢吹くんは私を抱きしめながら

そう言った。





矢吹くん、すごいドキドキ言ってる・・・




私は初めて彼のぬくもりを心から感じることができた。




すると矢吹くんは私の肩を持ち、

そっと私を離した。


私たちは見つめ合った。






「なんでって・・・そんなの決まってんじゃん。」




照れて顔が赤くなっている矢吹くんはそう言った。


私は矢吹くんの次の言葉を待った。




そのとき








「ひったくりよーーーーー!

誰か!誰か捕まえて!!!」






女性の大声が聞こえた。


矢吹くんと辺りを見回すと、

遠くからバッグを持って走っている男がいた。


なんとこっちへ向かってくる。


私は慌てて矢吹くんを見ると、

矢吹くんは落ち着いて、じっと男を見た。



男が接近してくると、

矢吹くんは




「離れてて」


と一言呟くと思うと、

男を投げ飛ばした。




一瞬の出来事だった。


私は目が点になった。





男はひっくり返って、動けない状態だった。


一方 矢吹くんは

ふぅと息を吐くと、私の方をくるっと向き、



「俺、柔道習ってたんだよね。」



と笑顔で言った。


私はその笑顔にキュンとした。








男は、警備員に捕まり、

バッグは元の女の人に返った。





この事件のことが先生のもとに連絡が入り、課外研修はそこで中断された。





けっきょく、私は

矢吹くんと話の途中で帰ることになってしまった。













____________________________________










次の日

いつものように学校へ行くと、


学校中がなんだか騒がしかった。



そのように感じた理由は教室に入るとすぐわかった。




「矢吹翔、ひったくり犯を捕まえたんだって!」


「なんか、あの悪い噂も全部嘘らしいよ!誰かが言ってた!」


「てゆーか、矢吹翔イケメンじゃない?」



「それ私も思った!あんま見てなかったら気づかなかったけど、ちょーイケメン!」


「だよねー!あれでひったくり犯捕まえるとか、惚れるよね〜!」







女の子の

みんながみんな、

矢吹くんについて熱く喋っていたのだ。


ひったくり事件があったのが、一気に広まり、矢吹くんは一気に人気者になってしまった。




(みんなずっと矢吹くんのこと避けてたくせに・・・よく言うよ。)






私はみんなの矢吹くんに対する態度の変わりようが 少し腹立たしかった。


自分だけが知っていたのに。


そんな気持ちでいっぱいだった。



すると木下美優が近づいてきた。




「ご不満のようですね〜!」






「べつに!ただ、みんな態度変わりすぎだし!」






「一気に人気者だね。まあ顔は良いからね、あいつ。」








「顔はって何よ!性格もいいもん!」








「はいはい。あ、あのさ、今日の放課後話しあるんだけど、いい?」









「え、うん。いいけどなに?」










「ちょっとここじゃ言えないからさ〜。私、中庭で放課後掃除だからそのまま中庭で待ってるし、来てもらっていい?掃除終わったら連絡するし。」









「うん!分かった!」








私は美優と放課後中庭で会う約束をし、

チャイムがなったので席へついた。
















放課後________________________











「なんだよ話って。」






「ごめんね矢吹くん。早目に終わらせるから!」






放課後、中庭で話している2人がいた。


美優と矢吹翔だ。









「あのさ、、私、矢吹くんのこと好き!覚えてるかな?私、矢吹くんと中学校一緒なんだよね!」





美優は言った。


が、矢吹は首をふった。





「ごめん、覚えてないし、それに俺、好きな人いるから。ごめん。」





そう矢吹が言った瞬間、

美優の顔色が少し変わった。



「その好きな人ってさぁ〜。この子でしょ?」




美優は笑顔でそう言いながら、カバンから一枚の写真を取り出した。



その写真には


矢吹が美麗に抱きついているのが写っていた。






矢吹が目を大きく見開いた。


そんな様子を見て、美優は笑った。



「そんなに驚かなくてもいいじゃーん!」








「・・・なんでそんな写真・・・」






「私さぁ、あんたが幸せになるなんて許せないんだよね。」





そう言った美優の笑顔は消えていた。


その瞬間、矢吹は何かを思い出したかのようにまた目を見開いた。





「あ、あんた・・・もしかして・・・」




美優は鼻で笑った。






「やっと思い出してくれたか〜!木下美優って名前で同じ中学校だったら、普通気づくよね〜!あー、良かった良かった!」





矢吹は黙り込んだ。






「私はどうしてもあんたを許せない。あんたをって言うか、あんたの姉を。

だからあんたにも幸せになってもらったら困るのよね〜。」










「・・・どうしたいんだよ。」









矢吹が聞くと、

美優はにやりと笑い、こう言った。






「じゃぁ〜、私にキスして?」











____________________________________











美優から連絡があった。




もう掃除は終わったらしい。

私は急いで中庭に向かった。





それにしても話ってなんだろう?


なんか改まって言われると緊張するな。



そんなことを考えながら歩いていると、中庭についた。





・・・あれ?美優と他にもう一人男の子がいる。






・・・矢吹くんだ。







私は美優と矢吹くんに接点があったか必死に考えた。


・・・なに話してるんだろう?



そう思って校舎の影から二人の様子を伺っていると、


矢吹くんが美優に近づいた。


その瞬間、

私は目の前が真っ白になった。









矢吹くんが美優にキスをしていた。










木下美優とは美麗の友達ですよ〜

ちょいちょい出てきてるので確認してください!

矢吹の悪い噂を流したのは美優でしたね(1話みてね)

これからどうなるんでしょうか


いつも見ていただいている人

ありがとうございます(•ө•)♡

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