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Flap  作者: くり
10/13

課外研修

とても日があいたので、

また前回の話から見ていただけるとありがたいです!

16話





さあ、ついにこの日がやって来た。

今日は課外研修だ。



行き先は・・・



「動物園?」


そう、綾芽の提案で動物園に行くことになった。

動物園に行くなんて何年ぶりだろう。

私は自分が思ってた以上に課外研修が楽しみになっていた。




行き先は班のメンバーで決めて、

時間も勝手に決めて

自分たちで勝手に行っていいのだ。


もう課外研修というより ただの遊びだ。


まあもともと交流会みたいのものだし、

こんなものか。


わたし達の班は

10時に現地集合だった。



私は綾芽と一緒に動物園へ向かった。





私たちが着いたころにはみんな集まっていた。







「よーし、みんなそろったな!んじゃ行きますか!」




町村くんが仕切るように言い、

私たちの課外研修が始まった。






「動物園 久しぶりだね〜」


なんて言いながら綾芽に顔を向けると、

綾芽はそれに対して適当に返事をし、

さあ、本題に。 といった感じで話してきた。




「美麗、まだ矢吹くんのこと好きなんでしょ?」



綾芽は周りに聞こえない程度の小さい声で言った。



私は黙ってうなずいた。


振られたけど、全然吹っ切れない。


町村くんに告白されたけど、全然矢吹くんのこと好きだ。



「だったらさ、これを期に、前みたいに喋れる関係に戻りなよ。簡単なことじゃないかもしれないけど、せっかく一緒の班になれたんだからさ!」




綾芽は励ますように言った。




「頑張ってみる・・・。」



私はそう答えるのが精一杯だった。







−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−






「あの猿、町村くんみたい!」




「はあ?!いやいや、あっちの猿こそ水谷にそっくりだぞ。」






「あんなんじゃないし!!笑」





私達は猿を見てこんな言い合いをしながら笑っていた。



そして私は気づいてしまった。




(私、さっきから町村くんとばっかりしゃべってる・・・)





町村くんから最近告白されたことなんて忘れて、全然普通にしゃべっていたのだ。


町村くんが普通すぎてるからかもしれない。





(矢吹くんとしゃべろって思ってたのに・・・自然と町村くんとしゃべっちゃってる・・・)





そんなことを考えて

ふと周りを見ると、町村くんしかいないのに気がついた。


そう、二人っきりだ。





「あれ?みんなは?」


私が町村くんに聞くと、




「トイレ行ったり、飲み物買いに行ったりしてる。」



と答えた。





私はこの二人っきりという状況が

なんとなく気まずく感じた。


すると町村くんが口をひらいた。





「気まずいとか思ってんだろ。」





「え?!」




私は心が見透かされてる感じがして

声が裏返った。


そんな私を見て町村くんは笑った。




「やっぱりなー。なんでもお見通しだっつーの。」




そう言えば、前もこんなことあった気がする。ほんと、町村くんに隠し事はできない。



町村くんは続けて言った。





「おれ、待つから。

水谷が受け入れてくれるまで、

ずっと待ってるから。」



町村くんは笑顔で言った。




こんなまっすぐ想ってくれて、

こんなストレートに気持ち伝えられて、

嬉しくないわけない。


町村くんと付き合ったら、絶対幸せになれる。ほんとにそう思う。


でもなんでかな。

すぐに返事はできない。



私はずるい?


これをキープっていうの?


矢吹くんのこと忘れるまで待たせるの?




・・・私 って 最悪。






−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−








けっきょく

町村くんには何も言えず、

私はトイレに行った。




(ちゃんと考えなきゃ。矢吹くんと喋るとかじゃない。もう忘れなきゃ。切り替えなきゃ。そうしなきゃどんどん悪い女になっていく。)




私は自分の心でそう誓い、

トイレを出ると、


ばったり矢吹くんと出会ってしまった。





(おいおいおいおい・・・)



私はそう思ったが、

ここで何も話さないのはおかしいので

しゃべりかけた。




「ま、まさか同じ班になるとはね!こんな偶然ってあるん・・・」




と私が言いかけたとき、


矢吹くんがわたしを引き寄せた。






矢吹くんの手が

私の腰にあって、



私の顔が

矢吹くんの肩にあって、




お互いの心臓が


とても近い距離で


ドクドクと音をたてた。







気がついたら


矢吹くんが私を







抱きしめていた。














つづく


読んでいただいてありがとうごさいます!

感想待ってます!

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