1週間後の日曜日
閑静な住宅街のはずのサニータウンには警察とマスコミ関係者で賑わっていた。
「サニータウン殺人事件」と名ずけられた事件は、連日マスコミに報道され、連日世間の注目を集めている。
被害者は、野口登志子(当時40)その夫の秋則(当時42)
殺人と死体遺棄の容疑者は、
矢野美和子(41)高島野江(35)藤田明子(45)山中由紀江(33)五味川梨恵(44)の5人。
発見者はこの家に住む、難波和成。変な臭いがするからと、屋根裏を覗いた時に発見した。
死後3年は経ち、死体はミイラ化していたが検死の結果、死因は撲殺と判明した。棒の様な物で殴り殺したようだ。
容疑者達は動機を、やっとの思いで購入したマイホームが登志子1人のせいで地獄になってしまったのが許せなかったと話している。
何処にでもいるような平凡な主婦が起こした事件であることと、生前の登志子の凶行から、世論は「サニータウン殺人事件」に注目した。容疑者達に対し、情状酌量の余地ありという擁護派と罪は罪だという擁護反対派がワイドショーで連日激論を交わしていた。
当初は、擁護派が大多数だったが、実は、サニータウンではかつて登志子に対して陰湿なイジメが行われており、その結果、登志子がおかしくなってしまったという報道がなされると、世論は擁護反対の方向に一気に傾いた。
ふぅ〜。こんなに大事になるとは思わんかったわ…。
難波和成は溜息をついてテレビを消した。
しかし、美和子たちがあんなエゲツない手でくるとは予想外やったわ。
けどまぁ…。
登志子姉ちゃん。仇はとったで!
登志子が幼い頃に生き別れた姉だと知ったのは今から5年ほど前。
奇跡の様に再会した姉弟はこれまでの失われた時間を取り戻すかのように急速に仲を深めていった。
しかし、登志子がサニータウンに引っ越した時から2人の歯車は狂い始めた。
明るく元気だった登志子が無口で陰気になり、連絡も徐々に取れなくなっていった。
和成の脳裏に元気だった頃の登志子の笑顔が蘇る。
「カズくん!」
幸せそうな登志子が嬉しそうに和成に話し掛ける。
「私、今度引っ越すんよ。少し郊外やけど住みやすいところよ。ご近所様もいい人ばっかり。」
「街の名前?…サニータウンっていうところよ。」




