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そんな……



差し込む光に目を覚まし、重い頭を抱えるように腕を上げようとして、それが不可能であると思い出した


拘束された手に、寝る者の都合など一切されていない硬い椅子。口には猿轡を噛まされており、ギシギシと鉄の車輪が回る音が鋼鉄の扉越しに聴こえる


〈……〉


ロードは目にかかる黒髪を鬱陶しく思いながら、再び体を横たえた


嗚呼…昨日までは何ら変わらない日常を送っていたというのに……。と、1ヶ月後に卒業を控えた学園生活を思う


天井に開けられた申し訳程度の空気穴から差し込んだ光が目蓋の上に重なり、脳内に浮かんだのは厳格な父親と学友だった一人の男の姿



前者は私を拘束した人物。後者は原因となったアーヴァイン。


ご存知、アウスリケアの研究所の局長であった父はあの日留学生二人と別れた後、何故か家に来ており、顔を合わせる事となる。だがそれきり放置されてしたのだが、半年以上経った昨日突如衛兵を連れて自宅に押し入り「お前を罪人として送る事になった」と静かに告げた。


決定なのだろう。揺るぎない声には一切の躊躇もなく肉親の情も無い


良かった。これでこの相手を親として庇わなくてよくなった



この鉄製の馬車は帝国領土に向かうしか自分に予測はできないが、新たな魔術の実験台になるにしろ知識を抜いて奴隷にするにしろ魔法国家内で刑は執行される筈なのだ…。つまり、別の用途に魔力に富んだ私はリサイクルされるのか?


〈えーυ〉



黒髪は魔力に富んでいるが精霊付きより格下な存在だと自分は思っている。しかし世の王侯貴族に明度の低い髪の人間が多いのでその認識は民間に広まっていない


ですが言わせて貰おう


濃い髪を持つ人間は魔力が強すぎで胎児が中々出来ない生殖能力が低い生体。しかも数も少ない


それに比べて精霊付きは、他の人間の外見と変わらない上に出産や子作りに何ら影響がない。…うん。不公平です。劣っている上に数も少ないとか


建国時に宗教的に高位な地位や身分を得ていなければ、奴隷兵士まっしぐらだったんだろう



以上を踏まえると己の運命が理解できないだろうか?



肉・奴・隷ですね


避妊の必要もなく貴族の夜の玩具とかいったいかがわしい存在になるか、濃い髪を持つ人間の後継ぎを産む為の肉奴隷になるか。何にせよ吐き気が込み上げてきた。


おぇぇぇ



さて、


いつ脱走しようか?こうなれば帝国領にはもういるつもりもない。西に向かえば亜人が分布する帝国にとってグレーな大デレカトリムがある。そっち方面に逃亡しよう


一先ず拘束を解く為に最善策を練って、シュミレーションを脳内でしてみた



〈レベロ〉


あの腐れ縁は卒業したら院に進んで研究を楽しみつつ戦況を見守るよと微笑んでいたが、私が捕縛&護送された事で人生設計を何か変えるだろうか?

ぶっちゃけ逃亡や潜伏スキルに関して心配はないのだが、まず間違いなくこのまま別れたら再会は皆無に近い


あの御曹司が此度の人生に求めるのが平穏ならば、何ら文句を吐く筋合いは無いと思ってますυ




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