第51話 陰陽師はアンチを斬る
オンラインショップを再開した。
一般人用にスケルトン対策グッズを売り出すことにした。
護摩の灰と形代のセット。
使用説明もつけた。
MP3プレイヤーに祓詞を入れたのもある。
カタログスペック100%してあるから効果はあるはずだ。
「今日はスケルトン対策グッズを紹介するよ」
俺は陰陽師の恰好をしてライブ配信を始めた。
『おいおい、詐欺だろこれ』
『だな』
『警察官こっちです』
コメントは、アンチばっかりだ。
半減して残ったのは、ほとんどアンチというわけか。
「無理して買わなくていいから」
『無理しなくても買わない』
『いい加減、胡散臭い商売をやめろ』
『詐欺師は消えろ』
「まあ、お守りとでも思ってくれたらいいから」
『買います』
『騙されたのがいて草』
『いいや分からんぞ。買うと言ってかわないかもな。そうしたらダメージがでかい』
「別にいいんだよ。じゃあ使い方を説明するね。まず護摩の灰。怪異に出会ったら投げつけてほしい。痴漢に目潰し効果もあるよ」
『痴漢の下りはちょっと気に入った』
「形代。これは呪われたら生年月日と名前を書いて、体にこすりつける。そしてたら返信用封筒で送ってほしい。お焚き上げするから」
『そんなのスタッフがドラム缶で燃やすんだろ』
「最後に祓詞。怪異に出会ったら、再生してほしい」
祓詞を流す。
『効くかどうか試しに買って。クーリングオフしてやる』
『俺も参加』
『いいね』
『みんなやろうぜ』
『返品の山を見て慌てふためく姿が目に見えるようだ』
『金を返さなかったら?』
『そんときは集団訴訟でも起こすさ』
その展開は考えなかった。
ひとつ商品に呪いでもかけてみるか。
返品できなくなる呪い。
悪縁を断ち切るってのがあったな。
悪意を持って返品するのは悪縁だから断ち切れるはずだ。
クレームもゼロになるに違いない。
良い事を教えてくれた。
商品の山を前に。
「カタログスペック100%」
縁切り刀印護符が光に包まれる。
刀印を作り、護符をなぞった。
これでいい。
商品の悪縁は切れた。
今日はモデルの仕事が入っている。
芦ヶ久保さんの運転で、撮影スタジオに行く。
スタジオに入り。
「おはようございます!」
元気に挨拶した。
スタッフの半分は挨拶を返さない。
ここにもアンチがいたか。
「カタログスペック100%」
縁切り刀印護符が光に包まれる。
刀印を作り、護符をなぞった。
これでいい。
悪縁など切れてしまえ。
撮影は問題なく進んだ。
悪縁が切れたせいか嫌がらせもない。
力は上手く使わないと、平和のために使うと心には誓っているけど、他人の平和よりまずは自分の心の平和だ。
自分を救えない奴に他人は救えない。
良い事を思いついた。
配信サイトの俺のページを開き。
「カタログスペック100%」
縁切り刀印護符が光に包まれる。
刀印を作り、護符をなぞった。
これでいい。
アンチな登録者など消えてしまえ。
登録者がごそっと減った。
930になって1000を下回って、収益化が出来なくなったが構うものか。
アンチはバンバン斬り捨てていこう。
グループチャットで御花畑と小前田と話す。
『こんどアンチを全部斬り捨ててやろう』
『それいい。絶対にやって』
『アンチうざいからね』
『嫌な先輩とかスタッフがいたら相談しろよ。バンバン斬り捨ててやる』
『おなしゃす』
『あざす』
縁切り刀印護符も売り出したいが、著作権がある。
サイトの画像のパクリだからな。
売り出したら、きっと訴えられるな。
転売なら可能かもしれないが、ちょっとイメージが悪い。
護符の改造をするとたぶん効果がなくなる。
カタログスペック100%はそういう力だ。
余分な物は加えてはならない。
事務所から話をつけてコラボ商品として売り出すのがいいけど、今の俺の評判は悪いからな。
相手の陰陽師も話を受けないだろう。
結局は名声や評判は力だということだ。
合わせ鏡を受け取ったマスコミはどうしているかな。
話を聞いてみたい。
中には俺が何かしらの力を持っていると記事を書いてくれるかも知れない。
マスコミ対策というのを本気で考える必要がありそうだ。
提灯記事を書いてくれるカモを探そう。




