第47話 陰陽師は人を呪い殺す
朝起きて、テレビを点けると、理事の汚職がニュースになっている。
『こちら○○高校前です。理事の汚職の映像がネットに流出しました。呆れた会議の様子もです』
『そうですか、捜査は入りそうですか?』
『警察はまだ動いてないようです』
朝練に来た生徒がインタビューを受けている。
『あの映像は見ましたか?』
とリポーターがマイクを生徒に向ける。
『生徒間のSNSにも流れたので、見ました』
『どう思いました?』
『こんなことで学校のイメージが悪くなるなんて許せません。いまはこの学校の生徒だと言うのが恥ずかしいです』
『ありがとうございました。現場からは以上です』
『ありがとうございました。また動きがあったら教えて下さい』
マスコミも早いな。
俺が学校に行くと蜂の巣を突いたような騒ぎ。
校門にはマスコミが押し寄せていた。
「あんたの仕業よね」
御花畑が呆れたような口調で言った。
「もうアンチとか敵とかには容赦しないことにした」
「吹っ切れたんなら、別にいいわ」
あの8人は登校していなかった。
それぐらいで学校を休むなよ。
やったことの責任ぐらい取れ。
授業が終わり、放課後には親鼻理事は辞任してた。
賄賂はちょっと罪になるぞ。
警察が動くかもな。
俺の知ったことではないが。
「息子に聞いたぞ。お前の仕業だな。怪しげな術を使いおって。許さん」
帰りに校門から出たところ、元理事が俺の胸倉をつかんだ。
何事かと帰りの生徒が遠巻きに見ていて、動画を撮っている奴もいる。
そう言えば元理事のこいつも柔道の有段者だったな。
俺は手の指を一本つかみ、手の甲側に曲げた。
元理事は痛みに耐えかねて、手を振りほどく。
俺は元理事の髪の毛を1本抜いた。
飛び退いて、藁人形を取り出し髪の毛を入れて、カタログスペック100%。
釘を刺した。
「あがっ、くひん」
苦鳴を一瞬洩らし、すぐに崩れ落ちた。
ピクリとも動かない。
「もしもーし」
俺の呼びかけにも反応はない。
「見てたよね」
周りにいる生徒に話し掛けた。
生徒はみんな頷いている。
「面倒だと思うけど証言してね。俺の将来が掛かっているから」
そしてスマホを取り出した。
『救急車、お願いします。場所は○○高校の校門です。病人は中年男性。よろしく』
しばらくして救急車のサイレンが聞こえてきた。
マスコミが何事かと寄って来る。
そして元理事の写真や映像を撮影しはじめた。
救急車が到着。
救急救命士は脈を取ると瞳孔を見て、首を振った。
「警察が来るのでここにいる人は全員残って下さい」
救急救命士がそう言った。
パトカーのサイレンはすぐに聞こえた。
そして、警察が現場に到着。
「亡くなった時の状況をお願いします」
警察官が聞き取りを始めた。
「なんか、理事を首になったのが俺のせいだと思ったらしくて、掴みかかってきました。手を振りほどいたら激昂して、それからぷつんと糸が切れたように」
「仏さんに着衣の乱れもありませんし、あなたの方が着衣が乱れています。他の方の証言とも一致してますし。一応司法解剖に回しますが事件性はないと思いますし、帰ってもいいですよ」
まさか死んでしまうとはな。
異世界ではたくさん殺したが、この世界でも殺すとはな。
だが、敵には容赦しないそう決めた。
帰ろうかと思ったら、親鼻が現場に到着。
「波久礼お前が殺したのか」
「病死だと思うよ。脳の血管が切れたのだと思う」
「お前が妙な術を掛けたんだな」
「いや病死だよ。司法解剖するらしいから、分かると思うよ」
「くそっ、お前は絶対に許さない。殺してやる」
「警察が見ているよ。おまわりさーん。こいつ俺のことを殺すとか言ってますけど」
「君、それぐらいにしておきなさい。話は聞いてあげるから」
親鼻は警察官に連れて行かれた。
藁人形に親鼻の髪の毛を入れて、カタログスペック100%してから、釘をさした。
帰りにお稲荷さんの祠に寄り、藁人形を入れておいた。
もちろん釘は刺したままだ。
痛みに耐性ができて動けるようになるといいな。
でないと、この世界の俺の復讐が果たせない。
こんなもので許したりはしない。
容赦はしないからな。
帰ってから俺はライブ配信を開始。
「さて、ここに呪いの藁人形がある。先日虐めをしてた生徒の髪の毛があるので入れるよ。カタログスペック100%。釘をぐさっとね」
『虐めの犯人らしい報い』
『怖いな』
「怖がることはないよ。呪いを掛けるやつは選んでるから」
『いいぞ』
『もっとやれ』
『虐めはゆるさん』
『うちの学校の虐めも解決して』
「髪の毛を取って、それと一緒に呪いたい奴の名前を書いて送れば、俺が裏を取ってから、復讐してやるよ。俺は正義の陰陽師だからな。虐めをしてない人の髪の毛を送り付けたら、そいつは呪うから。よく考えて送ってね」
虐め復讐配信もいいな。
虐めの様子と、呪いでの復讐を配信しよう。
次は腐った理事達を全員首にするか。




