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第46話 陰陽師は暗躍を暴く

「くくっ。ふははっ」


 学校へ戻るのにスクーターを走らせる間、笑いが止まらない。

 親戚の庭に停めて。


「カタログスペック100%。ノウマク・サマンダ・ボダナン・オン・マリシエイ・ソワカ」


 隠形法をして理事室に忍び込んだ。

 理事室には慌ただしく人が出入りしていたので簡単に潜り込めた。


「理事、いじめ動画が拡散してます。苦情の電話が鳴りやみません」


 学校職員が慌てて報告している。

 理事は親鼻(おやはな)の父親だ。

 理事は動画を見るとわなわなと震えた。


「なんとしても、もみ消せ」


「ですが、動画は既に拡散してます」

「人は何人使ってもいい。プライバシー保護で削除依頼を出せ。今日中に方をつけろ」

「はい」


 理事はどこかに電話をかけ始めた。


「教育委員会の練馬(ねりま)さんですか。困ったことが起きして。なにそちらには迷惑を掛けません。いじめ問題が持ちあがったのですが、それをなかったことにしてもらいたい。では明日、札束の入った菓子折りを持って伺います」


 理事は電話を終えた。

 そして、理事は電話をかけ始めた。


「もしもし、椎名(しいな)君のお宅ですか。おお、君が椎名(しいな)君か。話合いを持ちたいのだが、何時のどこがよろしいかね。分かった。では明日ファミレス×△に16時で」


 それだけ聞けば十分だ。

 明日が楽しみ。

 次の日、ファミレスに姿を消していく。


 親鼻(おやはな)理事は早めに来ていた。

 恐る恐る虐められていた椎名(しいな)君が登場した。


椎名(しいな)君だったね。虐めはなかった。そうしてもらいたい」

「どういうことですか?」

「分かるだろ。君が無かったと言えば、最高の内申点を付けてあげよう。通信簿のげたを履かせることもしようじゃないか」

「わかりました」


 そう来るし、そうなるよな。

 椎名(しいな)君は複雑な顔をしている。

 気が弱そうだから言い出せないのだろう。

 心配するな。

 仇はとってやる。

 理事にも責めを負ってもらおう。


 理事の後をつける。


 理事は理事室に入ると金庫から札束10個を出すと、菓子の底に敷き詰めた。

 そして上に菓子を載せた。

 ばっちり、撮らせてもらったぜ。


 そして、理事室を出ると黒塗りの外車に乗り込んだ。

 俺はGPS付きの携帯を車に貼り付けた。


 親戚の庭のスクーターに乗り、追跡を始めた。

 車は料亭に入った。


 隠形法をして料亭に忍び込む。


 料亭の仲居さんの後をつけて部屋に入る。

 おっとここは違う。


 何回か部屋を間違えて、目的の部屋に入った。

 良かったまだ菓子は渡してない。


「では一献」


 理事がとっくりを手にちょこにお酒を注ぐ。


「しかし、お宅も大変ですな」


 この人が練馬(ねりま)か。


「自殺者が出た時は金で解決しましたが、今回は表に出さないつもりです。幸いにも動画は全て削除しました。なに人の記憶なんてものはすぐに薄れるものです」

「まあな。だが、教育委員は泥を被らないぞ。アンケートの改ざんはそっちでやった。いいな」

「分かってますよ。前回同様にします。これは手間賃です」


 理事は菓子折りを渡した。


 練馬(ねりま)は菓子の箱の蓋を取ると、菓子を指で少し動かし、下にある札束を見てにんまり笑った。


「じつに美味そうな菓子だ」

「では、私は忙しいのでこの辺で」


 そう言うと理事は手を打って仲居を呼んだ。


「俺は帰るが料理を運んでくれ」


 理事はそう言ってから、料亭を後にして学校に戻った。

 その様子をばっちり撮ったことは言うまでもない。


「理事会を開いてくれ。今回の動画の始末をつけたい」


 理事は帰るなり、内線でそう言った。

 そして、会議室で理事会が開かれた。


「まったく、学校のイメージをなんだと思っているんだ」

「最初に投稿した者を告訴しなきゃなりませんな」

練馬(ねりま)さんに話は通しました。菓子折りをもっていったので、ご機嫌な様子でした」


 親鼻(おやはな)理事がそう言った。


 菓子折りの件を報告している所をみると、こいつらグルだな。


「では虐めはなかった。あれは悪ふざけが少しだけエスカレートした」

「ですな」

「子供にはよくあることです」

「そうそう、騒ぎ立てる奴が間違っている」

「アンケートは実施するんですよね」

「前回と同じく改ざんですかな」

「改ざんではない。修正と言ってもらいたい。その証拠に虐めがあったと書いた生徒自身が修正している」

「ですな」


 ここまで腐っていたとは。

 虐めがないと評判の学校だったから、ここを受験したらしいが、とんだ学校だ。

 ここまで撮影すれば良いだろう。


 俺は一連の動画をアップした。

 椎名(しいな)君の動画には本人の協力のもとに動画撮影しましたとコメントを添えた。

 内申書はチャラになったが良いよな。

 そんなので大学に受かっても嬉しくないだろ。

 俺はまたしても動画をコピーして配信した。


『またも○○高校か』

『この理事の奴ら揃いも揃って、ぶくぶく太りやがって。豚はお前らだ。マジックで落書きしたい』

『札束は許せん。警察が動かなかったら、警察に凸してやるよ』

『本当に許せない』

『俺ならこんな高校は速攻で転校しているな』

『豚には死を』

『理事の家の電話番号調べて凸しようぜ』


 もうそこからは炎上の嵐。

 止まらなかった。


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