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第36話 元カノは振られて覚醒する

Side:横瀬

 何か面白いことないかなぁ。

 あっ、波久礼(はぐれ)がまた不良達に連れて行かれる。

 きっと喧嘩ね。

 偽装彼氏としてデートに付き合って貰うのだから助けてあげようかしら。


 体育館裏には、ヤクザが待ち構えていた。

 波久礼(はぐれ)がいくら強くてもこれはどうにもならないんじゃないかな。


 だけど、波久礼(はぐれ)はヤクザ全員を叩きのめしてしまった。

 そして、ヤクザの中の一人とどこかに行くみたい。

 あとをつけるとファミレスに入ったので、私は隣のテーブルに座った。


 ヤクザから語られた恐るべきひと言。

 ふびと先生。

 ゆっくり立ち上がって波久礼(はぐれ)の方を見ると、私の学校の制服を着てふびと様が座っていた。


 私は衝撃の余りへたり込んでしまった。

 波久礼(はぐれ)がふびと様。

 そんな馬鹿な。

 でも今見た事実がそれを裏付けている。


 ヤクザが帰ったので、私は波久礼(はぐれ)の前に姿を現した。

 波久礼(はぐれ)はいつものように前髪を垂らしていて素顔は見えない。


「あなたが、ふびと様だったのね」

「メイクしたところを見てたんだな」

「ええ」


「どうするつもりだ」

「あなたが好きです。つきあって下さい。あなたも私が好きだったのよね。じゃあ相思相愛ね」

「馬鹿を言うな。お前への気持ちなどとうになくなっている」

「欠片もないの」

「やった仕打ちを思い出してみるがいい。物をねだって貢がせるだけの女だったじゃないか」

「あれはあなたが勝手にくれたのよ」

「本当に相手のことを思っているなら、プレゼントは余裕がある時だけでいい、自分の物も買いなよとか言ってもいいじゃないか。無理してないとか心配する言葉を一度でも言ったか。それにプレゼントのお返しを一度も貰ってない」

「それは」

「結局、お前の愛なんて上っ面しかみていないんだ。ふびとの顔が良いから惚れた気になっているだけだ。お前と結ばれるなんてことは天地がひっくり返ってもあり得ない」

「なんでそんな酷いことを言うの」

「ひどくないさ。この体の持ち主は自殺未遂したんだぞ。この世界は神が時間を巻き戻して再構築した世界かもと思っていた。みんな被害者だって。だけど、性根が腐ったやつは神が時間を巻き戻しても変わらないんだ」

「ちょっと、何を言っているのか理解できない」


「性根の腐った奴は世界を丸ごとやり直しても変わらないってことさ。頼むから消えてくれ。安心しろよ、偽装デートには行くからさ」


 そう言って波久礼(はぐれ)は去って行った。

 振られた。

 涙で前が見えない。


 ハンカチがそっと差し出された。

 ハンカチで涙を拭う。


波久礼(はぐれ)は邪神の手先になったんだ。さっきのことは気にすることはない」


 男の人が立っていた。


「あなた誰?」

「神の使徒さ。波久礼(はぐれ)をなんとしても無力化しないといけない」

「もしかして、ふびと様を邪神の影響下から解放すると、やさしい彼に戻るの?」

「そうだよ。それができればね。ついて来るといい」


 男の人についていくと廃屋だった。

 黒い霧が渦巻いていて、動く骸骨が蠢いている。


「ひっ」

「心配することはない。この骸骨は神の先兵なんだよ。邪神に支配された人達を解き放つ役目を負っている」

「そうなの」

「君も神に心をゆだねるといい」

「ちょっと怖い」


 黒い霧が迫って来て、意識が途絶えた。

 目を覚ますと、男の人はいなくて骸骨たちが跪いている。


 ふびと様を解き放たないと。

 あの男の人はどこかで会ったきがするんだけど、思い出せない。

 どこだったかな。

 思い出せないのなら重要なことじゃないのね。


 午後の授業を受ける為に学校に戻る。

 午後の授業は体育だった。

 ソフトボールの試合。


 私はレフトを守った。

 ランナーは1塁。

 キンという音がして、抜けそうな当たりが飛んで来たので、懸命に走る。

 ふぅ、何とか追いついた。


「うそっ、抜けた当たりなのに!」


 ランナーが戻ろうとするが、私は矢のような返球をしてアウトにした。


横瀬(よこぜ)さん凄い。もしかして経験者」

「今日は絶好調」


 体の身体能力が何倍にもなっているのが分かった。

 神の力なのね。


「試しにピッチャーやってよ」

「任せて」


 私は、マウンドに上がると投球練習を軽くしてから、セットポジションをとった。

 そして優しく投げ込む。

 ボールはうなりを上げてキャッチャーミットに吸い込まれた。


「ナイスピー」

「凄っ、日本代表にもなれるかも」


 チームメンバーが賞賛してくれた。

 気分がいい。

 何でもできそう。

 ふびと様、待ってて。

 必ず目を覚ましてあげるから。


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