再会
「風の魔法」の続きです。
その後、試験は順調に進んだ。
一次試験の後は筆記試験や簡単な実技が続き、ニュートはなんとか無難にこなした。
風魔法で目立った以外は、特別すごいことはしなかったけど、まあ失敗もなかったと思う。
試験会場を出る時、貴族の子たちの視線が少し気になったけど、もう笑う声は聞こえなかった。
「これなら合格できる…たぶん。」
ニュートは自分に言い聞かせながら、宿への帰路についた。
それから数日後、いよいよ合格発表の日がやってきた。
王都の広場に設置された大きな掲示板の前は、人だかりでごった返していた。
貴族の子たちは親や従者と一緒に自信満々に名前を探し、平民らしい子たちは俺と同じように緊張した顔で立っている。
ニュートは深呼吸して、掲示板に近づいた。
「頼む、載っててくれ…。」
ドキドキしながら合格者の名前を上から順に追う。
まずはSクラス。
「…ない。まあ、そうだよな。Sは天才か貴族のエリートが行くところだ。 」
次にAクラス。
「…ない。」
心臓が少し速く鳴り始めた。
「まさか落ちたのか…?」
焦りが胸を締め付ける中、Bクラスに目を移した。
「あった!ニュート!」
受験番号47の横にニュートの名前がしっかりと刻まれていた。
「よかった…!」
安堵の息が漏れ、肩の力が抜けた。
「Bクラスなら十分だ。俺にとっては上出来すぎるくらいだ。 」
入学は一週間後と書かれていて、あっという間にその日が来た。
両親に見送られながら、ニュートは王都魔法学院の門を再びくぐった。
「お前ならやれるよ。」
父の穏やかな声が耳に残り、母が「頑張ってね!」と笑顔で手を振ってくれた。
学院の中は新入生で溢れていて、華やかな制服に身を包んだ子たちが楽しそうに話している。
ニュートは平民らしい質素な服の上に制服のローブを羽織り、Bクラスの教室に向かった。
長い廊下を歩きながら、期待と緊張が混じった気持ちが胸に広がる。
「どんな奴らがいるんだろうな…。」
少し汗ばんだ手でローブの裾を握り、教室の扉に手をかけた。
扉を開けると、すでに何人かの生徒が席に座って雑談していた。
壁には魔法陣の模様が描かれ、窓からは春の陽光が差し込んでいる。
ニュートが空いた席を探していると、聞き覚えのある明るい声が耳に飛び込んできた。
「ねえ、ミサ!あそこ空いてるよ、早く座ろう!」
その声に振り返ると、赤い髪を揺らしながら元気よく歩く女の子が目に入った。
アリサ・クーター。あの王都で猫を助けた時の女の子だ。
彼女はニュートに気づくと、目を丸くして一瞬止まり、すぐに笑顔を広げた。
「うわっ、ニュートじゃん!」
ニュートは少し照れながら、彼女に声をかけた。
「クーターさん、一週間ぶりだね。」
アリサが手を振って明るく返してきた。
アリサの横にいた青い髪の女の子が、控えめにニュートの方を見た。
ミサ・サウリバーだ。
ミサが少し恥ずかしそうに口を開いた。
「あの…お久しぶりです、ニュートさん。一週間ぶりですね。」
ニュートが頷くと、アリサが笑いながら肩を叩いてきた。
「ねえ、一週間前なんだから懐かしくないよ!ミサ!」
ミサが小さく首を振って、穏やかに返した。
「でも…同じクラスになれて、少し嬉しいです。」
教室の中が一瞬ざわつき、ニュートは2人のやり取りに小さく笑った。
Bクラスでの新たなスタートに知り合い?がいて助かった。
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続きは
「側付き魔法使い」
になります。
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