01. 期待の異世界ライフ…?
俺の名前は佐藤 清。[さとう きよ]
日本で一番多いと言われている佐藤に、調べてみると日本で一番多い名前の清。
そんな名前までモブで、人生までもモブな男である。
生まれてこの方、特別な事は何もない人生だった。
両親は共働きで、特に貧乏でもお金持ちでもないごく普通の家庭の一人息子。
小中高と普通の学校に通い、専門学校に入って、専門的な仕事につき、日々を生きているだけのただの26歳。
そんな俺には楽しみがある。それはアニメや漫画の世界を一人で妄想しながら、一人で演技する事だ。
モブの俺には、その世界が眩しく見えて、憧れを持ち、異世界なんかに飛ばされてーなーと常日頃考えていた。
そんな時に、仕事終わりに一人演技しながら帰ってる時に、見事に車に轢かれた。
(あー俺はこのまま異世界に行くんだ)と悟った瞬間、まさかの思った通り異世界に行ってしまったのである。
俺は誓った。現実世界でモブだった生活を脱却するために、この異世界ではアニメや漫画のようなスーパー異世界ライフ送ってみせると。
(ここはどこだ、確か車に轢かれて….)
[やった!!生まれたぞ!よく頑張ったリリア!]
(ん?リリア?誰だこの野太い声は)
[ビーツ、あなたの支えのおかげよ。]
(ビーツにリリア、こいつらは一旦誰なんだ)
目を瞑っていた俺は、大きく目を開けた。
そこにいたのは見知らぬ女性と男性だった。
俺はすぐに理解した。
異世界転生して、今俺は生まれたての赤ん坊だと。
そこからは、異世界に転生した喜びとワクワクで頭がどうかしそうになったが、俺はまだ言葉を発することができない。
なので、まずやる事はここの国の文字や文化そういったことを勉強して、最高の異世界ライフを送る準備をしよう!
…..と意気込んだのは良いが、周りを見渡すとかなり古い家、両親の身なりも良くはない。
まさか…俺はすごい普通の平民から生まれたスーパーモブ人間なのか!?
いや、待てよ。
現実世界の記憶を思い出せ。
確かアニメや漫画でも、ごく普通の家庭に生まれたけど、自分の努力や、周りのサポートで成り上がっていくストーリーはいくつも見てきた!
諦めるにはまだ早いぞ。俺はこっからモブ脱却をしてみせる!!