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21.ケージン先王陛下side

 息子を叱責したところで、どうにもならない。

 やってしまったことは無しにはならない。悔やんでも悔やみきれない。



「報告を……」


「はっ!白の離宮から魔道具が大量に見つかりました。おそらく、カールストン侯爵令嬢が設置したものと思われます!」


 白の離宮に設置された魔道具は、録画録音機能付きの防犯カメラのような物だった。

 しかも小型。

 従来のものと違い、魔石を使って映像を記録できるという画期的なものだった。


「装飾品かと思いましたが、それにしては数が多いですし、魔力反応がありましたので、念のため調べさせたところ、全て同じ種類の魔道具でした」


「……そうか」


「また、記録されていた映像を確認した結果、悪質な嫌がらせを日常的に受けていたことが判明いたしました」


 侍従の報告を聞き、頭が痛くなった。

 記録されていたのはそれだけではない。

 カールストン侯爵令嬢は身に付けるモノすら魔石で造られたアクセサリーだと言うではないか。

 その報告に部屋にいた皆が息をのんだ。


「言い逃れはできんな」


「はい。カールストン侯爵令嬢はこうなることを予期していたとしか思えません。おそらくは、この魔道具を設置することで、身の潔白を証明しようとなさったのかと」


「そうだろうな。そして、実際に彼女の無実を証明することになった。……我が息子といい他の妃たちといい……なんという愚かなことを……」


 本当に、情けない。

 まさかこんな事態になるとは予想もしていなかった。

 いや、想定しておくべきだった。


「……恐れながら申し上げます」


「なんだ?」


「実は、ローズ上級妃様のことで――――……」


 彼女の仕出かしたことが発覚し、私は更に頭を抱えたのだった。


 後日、王族専用の面会室で行われた会談により、カぺル公爵家は取り潰されることになった。

 カぺル公爵領は王家の直轄地となった。


 そして、罪人のローズ元上級妃は毒杯を賜り処刑した。ただし、それは表向きの理由だ。仮にも王家の血を引く娘。そう簡単に死なすわけにはいかない。

 逃げ出さないように足枷をはめて塔に閉じ込めている。

 王族の数は少ない。

 彼女の存在は貴重だ。

 なにしろ、彼女と息子の間には王女がいる。つまり子供を産めるのだ。


 子供を産み落とすだけの存在。

 ローズ元上級妃が生きていることは一握りの者しかしらない。

 息子にも定期的に彼女を幽閉している塔に様子を見に行くよう命じた。





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