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九十三羽 ☆ リュリュエル、奮闘!

「かかってこい魔族魔物ども!

あれえ!? ダメ! 俺を無視していくな!

どうしよう!?

……肉弾系ばかりって言ってたな。体育会系?

お前ら! 俺は女神によって、魔王を倒すために異世界から召喚された勇者マオ・ウォタースゾだ!

俺を討ち取って名を上げるなら今がチャンス!

昇給、昇進、魔王の右腕も夢じゃない!

世界樹を倒すなら俺を倒してからにしろ!」


魔軍な皆さん「うおおおおおおおおお!!!」

「まじか! 俺が一番に倒す!」

「い〜や! 俺様の時代がやってくる!」

「ガウ! ガア! ガウウ!!!」

「待て待て! 慌てるな! 手柄があやふやになったら困る!」

「もしかして、後の方が有利じゃね!?」

「勇者でも疲れれば弱いだろ!」


「マオ様の挑発で、社畜な魔軍の皆さんたちが隊列をなして長蛇の列です! お行儀がいい! 社畜の鏡!

マオ様、さらに立派になって……ボクは今、息子の背中に頼りがいを感じるようになったお父さんの気持ちです……ほろり」

「ありがとう!? でも、どこらへんがお父さん!?」


マオ様の孤軍奮闘!

てふてふちゃんのスキル<果てない食欲 あふれだす無限てふてふぱうだ〜>!

天使フィスエル VS 堕天使シューティエルによる一進一退のバトル!

世界樹の葉を煎じたお茶をすするボクとシャオ様とドライアドたち!


「茶〜しばいてる場合じゃないでしょ!?」

「え〜。だってボクゥ、ポカポカ攻撃しかできないですし〜」

「なんかしろ!」


「は〜い。

シャオ様、けっこうなお手前で。

世界樹のお茶は、さわやかな渋みの中に甘味があって、初夏の香りを感じさせるほど鼻腔をくすぐります。

世界樹の葉を練り込んだお菓子も趣向が凝らされていて、大変美味しゅうございました♪」


「お楽しみいただけましなら何よりでございます」


「茶席か!? 品評はしなくていいわ!」


「………お前ら、あほ?

ふ、あはははは! 口ほどにもない!

しょせん、手技なんて脚技にくらべたら貧弱!

その上、てめえの気功も発勁はっけいもまだまだじゃねえか!

見ろ! 純粋な鍛錬で練り上げたあたしの氣を!

はっあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! ふしゅぅ〜!」


シューティエルの怒涛の脚技!

防御で手いっぱいのフィスエル!


「鍛え抜かれた手脚で大地をつかみ! 漆黒の羽で大気をつかむ! すべての氣を我が美脚に!

喰らえ! 必殺! 煉獄黒炎脚!!!」


禍々しく黒い猛炎を放つ美脚!

シュウウウウウウウ!

フィスエルの頬に直撃するかかと!

吹っ飛んで天宙世界樹に激突!

ヨタヨタと起き上がるフィスエル!

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