六十三羽 ☆ リュリュエル、銘刀!
「おい、てめえら! 今日の獲物をアジトに運ぶぞ!」
「何をなさってるんですか?」
「何って、獣人のガキどもをさらったんだよ!
奴隷として売っちまうのさ! って、うわ! なんだテメェ!」
……少し前から和國のあちこちで獣人の子どもが何人も何人もさらわれてる。
ケモナは獣人たちの未来が心配もな
「むぐ、ぷはっ! お姉ちゃん、助けて!」
「おいこら! 出てくんじゃねえ!」
「ぎゃっ!?」
「何したんです? もしかしなくても子どもを殴りました?
激に怒です!!!
頭の血管が一億本くらい切れちゃいそうです!
子どもを不幸にするなんて絶対にダメダメです!!!」
……ケモナはなんにもできない!
リュリュエル頼んだもな!
「この刀! 銘刀コテ〜ツで斬って捨てちゃいましょう!
スラッと構えたら竹光でした! うわっほう!」
「ああん? なんだそんなおもちゃで俺たちとやろうってのか!?」
「こうなったら……
フィスエル! 技をお借りします!
エンジェルフィスト百裂拳!」
「なに手を振り回してやがる!
ポカポカポカポカ、痛くもかゆくもねぇぜ!」
「あれれ〜?」
「はっ! 翼人のガキが勇者ごっこか!?
ちょうどいい! お前も売りさばいてやる!
よっしゃ! 捕まえたぜ!」
「捕まっちゃいました! てへぺろ!」
……リュリュエル、ちょろいもな!?
「ちょ〜〜〜っと待つにゃ!
その子たちを好きにはさせない!
獣人忍法! お色気ねこねこ天国!
んにゃは〜ん♡」
「なんだそりゃ? ぺったんすぎて、なんもこねえよ! お前らやっちまえ!」
「謎の人物さんのお色気がなさすぎて、まったく効いてません!」
「ひどいにゃ! 助けに来たのにディスられたにゃ!
獣人忍法! にゃんこのかぎ爪!」
「ぎゃあああああ!」
「ピンチに登場! サクッと悪人退場!
ぺったんこな謎の人物さんの爪がキラリと鋭く伸びて、人さらいたちをあっという間にやっつけちゃいました!」
「だいじょぶにゃ?」
「はい! 猫耳獣人の忍者さん!
くノ一らしさが全面に出てる衣がかわいいですね!」
「ふふ〜ん。くノ一だからおとなの色気も武器なのにゃ!」
「おとなの色気はまったく感じられませんね? 特にお胸のあたりが」
「初対面の人にそんなこと、お子ちゃまでも言っちゃダメにゃ!
じゃないと、シャーってするにゃ! シャー!」
「かわいい! ボクもにゃんこな感じで、シャー!」
「怒ってるんだけどにゃ!?」




