四十七羽 ☆ リュリュエル、笑顔!
「ナユ様! 猪さん、おいしいです!」
「こっちの牛串も食べてみる?」
「お返しに猪さんをどうぞ!
牛さんもおいしいです〜。
お腹いっぱい、ごちそうさまでした!
たまにはピリッとした隠し味がないのもいいですね!」
「ピリッとした? 辛味?
おいしそうだね!
機会があったら食べさせて!」
「もちろんです!
リュリュエルはいつでも隠し味の効いた料理の腕を振るっちゃいますよ!」
「プルプル!」
「スライムちゃんも食べたいのかな?」
「プルプル!!」
「いいよ! いっぱい食べてね!」
「プルプル!!!」
「おっきなお口を開けてます。
キラリと輝く牙で咬みついて飲み込んじゃいました!
真紅で透明な体の中でシュワシュワと溶けちゃいましたね」
「スライムなのに牙!?」
「スライムくん、もっと欲しいみたいですよ?」
「お金があんまり残ってないけど……。
攻撃しちゃったおわびもしたいし、まあいっか!」
「プルプルプルプル!!!」
「わあお! いっぱいの串焼きをカジっとひと飲み!
ナユ様にぬるぬるっとぺったりすりすりしてます。
大好きになっちゃったこと間違いなし!」
「にひ! よかった!」
「ナユ様! 変な笑顔がかわいいです!」
「ほめられたのかな!?
あはは! あたしなんてかわいくないよ。
リュリュエルの方がかわいいよ!
みんなおなかいっぱいになって良かった!」
「ほんと〜〜〜におやさしいんですね。
ボクからナユ様にお礼をしたいです!」
「お礼なんていいよ〜」
「いっっっやっです!
エンジェ〜〜〜ルギフチュッ!
ほっぺにチュ〜しちゃいました!」
「リュリュエル……かわいい〜!」
「ふぃわわわわ! そんなにギュウっとしたら苦しいです〜」
「あはは! ごめんね!
こんなことしたらリュリュエルを好きな子に怒られちゃうな」
「ナユ・ウシャ・オン様!
ボクの女勇者様になってください!」
「あたしが勇者!? 無理無理!
今までどんなにがんばってもスライムに逃げられてばかりで、今日やっとはじめて倒したくらいなんだから!」
「ドジっ娘ナユ様ですから当然ですよね!
一匹でも倒せたのは神様もびっくりな奇跡です!」
「リュリュエルひどくない!?」
カンカンカンカンカン!
突如、鳴り響く鐘の音!




