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花を贈るのは

俺は、シロネコさんの探すその人、ウミネコを探しまくった。

シロネコさんが喜んでくれるなら、

俺は何でもしようと決めた。

決めたけれど、胸が痛くて痛くて、

道化の顔を演じるには、

胸が痛くて仕方なかった。


俺はしばらくストリートから離れて、

あっちこっちしらみつぶしに情報を求めた。

身体が曲芸を求めていた。

けれど、心はシロネコさんの笑顔を求めていた。

心と身体がばらばらになるって、

わりとこういうことかもしれない。


数日後。

シロネコさんの探していた、ウミネコの情報が手にはいった。

俺は、貯金を崩して、学校休んで、その町へいって、

ウミネコに会うことができた。

ウミネコは、穏やかな感じの男で、

尋ねてきた俺を見て、

「不思議な縁だね」

と、一言。

それから、

「はりついた笑顔はやめたほうがいい。苦しくなるよ」

俺の笑顔は、見抜かれていた。


俺は、シロネコさんに、何かしてあげて欲しいと。

シロネコさんは今でもあなたが忘れられないと。

ここからは、シロネコさんの町は遠いから、

会うのは難しいかもしれないけれど、

何かして欲しい。

と、包み隠さずに話した。

ウミネコはうなずいて聞いていて、

「私がすることは、多分ないよ」

「そんな!」

俺がしたことが無駄になるのは別にかまわないけれど、

シロネコさんが悲しむじゃないか。

「シロネコさんは、今でも、あなたのことが」

俺は叫ぶ。

その人は、静かに語った。

「私とは、会えなかったことにしなさい。死んだことにしてもかまわない」

「でも!」

「シロネコの、思い出の私に勝ちなさい」

ウミネコはじっと俺を見る。

俺は、ウミネコに挑戦することにした。


俺は町に帰ってきて、

シロネコさんには、ウミネコに会えなかったと伝えた。

シロネコさんは、それを聞いて残念そうだったけれど、

「探してくれてありがとう、トビウオ」

と、少しさびしげな笑顔を浮かべた。


俺は、軽い手品で造花を一輪。

「俺は、あなたの思い出に挑戦しますよ」

シロネコさんはきょとんと。

小さな造花は挑戦状。

無理やりシロネコさんに持たせて、俺は決意する。

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