第3話 出航
「よしっ。出発するか!」
天気は快晴。アシンたちは雲一つない青空のもと、家を出た。
アシン「そういえば、どうやって次の島へ行くんだ?」
ゴンばあ「飛行艇を使っていくんじゃよ。じゃがそれは高いお金がかかるから、普通は皆自分たちで船を作っているよ。」
サナ「え!自分たちでどうやって作るの?」
ゴンばあ「雲の能力を持つものが雲をだしてその形を整えるんじゃ。しかしまだ天国に来たばかりじゃから船の形にはならんじゃろうな。」
イツマ「俺の力でやるのか。よし、やってみる。」
アシン「イツマたのんだ!」
イツマは右腕を伸ばし、手を広げて手に力を込めた。
イツマ「雲よ!飛行艇を作れ!」
イツマがそういうと、手のひらから雲が出てきて、長方形の板のような雲ができた。
アシン「これが船か??」
サナ「船というか、ただの床みたいだね。」
イツマ「うるさい。初めてだったんだから仕方ないだろ。」
ゴンばあ「初めてにしては上出来じゃよ。普通雲を出しさえもできんからな。」
イツマ「ほらな。」
ゴンばあ「それにしても分厚い雲じゃな。この雲の質ならお前さんは雲の能力の中でも積乱雲の能力に部類するだろう。」
イツマ「積乱雲、、??」
ゴンばあ「そうじゃ。どんな技が使えるかはこれから自分で探ってみるといい。」
アシン「積乱雲か!どんなのか知らねえがなんか強そうだな!」
サナ「イツマ、よかったじゃん!」
イツマ「ああ、ありがとう。」
アシン「それじゃ、出航しよう!!」
「「うん!!」」
そうして3人は、ミタ村を出た。
―――。
「暇だなー。」
3人が村を出てから1時間。ただただ空を漂うゆったりとした時間が続いている。
3人はイツマの作った雲に寝そべり、日向ぼっこしていた。
そこに、1つの風船が飛んできた。
3人は風船をつかむために起き上がった。
―――そして、3人は目を見開いた。
少し先に、何百もの風船が浮かんでいる。
アシン「あれはなんだ?!イツマ!もっと早く船を動かしてくれ!」
船を近づけると、だんだん風船が大きく見えてきた。
サナ「あれは!風船じゃなくて気球だ!!これ全部気球?!すごい、、!!」
何百にも見えた風船はすべて気球であり、その気球のかごの代わりに家がぶら下がっている。
イツマ「これは、、どこかの町の家々なのか?」
アシン「すっげーー!ワクワクしてきた!!もっと進もう!」
少し進むと、大きな雲で作られた島が見えてきた。
しかも、サッカーボール、野球ボール、バスケットボールの3つの大きなボールの形をした風船で島が浮かんでいるようだ。
3人は島の船置き場に飛行艇を止めて島に降りた。
どうやらこの島は、気球の家に住む人々が働く町の中央地のようだ。
少し進むと、島の町がお祭りのようにたくさん飾ってあった。
イツマ「この島では何かあっているんですか??」
3人は町の商店街にいたきれいな奥さんに聞いてみた。
「この町で明日から4年に1度開催される大運動会があるんです。町の人全員が参加するんですよ。もしかして、島の外から来られた方ですか??」
イツマ「そうなんです。今日到着したばかりです。」
「よかったら参加しませんか、、?私の息子が一緒に参加するメンバーが決まってなくてちょうど探していたところだったんです。」
アシン「え!!俺たちも参加していいのか?!参加したい!!!」
「ええ、もちろんです。ぜひ一度家へいらしてください。」
そうして3人はその町人の家についてくことにした。