第1話 お葬式
「ここは、、どこだ、、、、?」
アシンは目を覚ますと、辺り一面の青空に目を見開いた。
隣を見ると、サナとイツマが横たわっている。
「サナ!イツマ!すごいぞ!!早く起きて!」
サナ「んん、うんん、、、。アシンうるさい。どうし、、た、、、、。え、、、、、、、!ここはどこ?」
アシン「俺たち雲の上に乗ってるぞ!この雲トランポリンみたいに跳ねるぜ!」
サナ「すごい!!なにこれ!!雲に乗れるなんて!!夢みたい!」
アシン「そうか。これは夢か。せっかくだから楽しもうぜ!ひゃっほーーい!!」
イツマ「まてまて。お前ひとりだと迷子になる。」
サナ「アシンまってー!」
アシン「おい!!2人ともみろ!あそこに門が見えるぞ!行ってみよう!!!」
3人は遠くに見える門まで走っていった。
門を抜けると、小さな村が見えてきた。
雲の上に建てられた雲でできた家や建物にアシンたちは言葉を失った。
「「「す、、すごい。」」」
ただ、どういうわけか、草木や水は流れている。土もないのにどういう原理なのだろう。
「やあやあ。こんにちは。」
一人のおばあちゃんが話しかけてきた。
「ミタ村へようこそ。わたしゃこの村に住むゴンばあだ。あんたらこの村に来るのは初めてかい?」
アシン「俺たち目が覚めたら急に雲の上にいてさ。門が見えたからここに来てみたんだ。しっかしはっきりとした夢だな~」
ゴンばあ「ありゃま。あんたたち今日天国に来たばっかなのかい?そりゃてぇへんだ!」
アシン「えええええ?!?!?!ここ天国なのか??夢じゃなくて?!俺たち死んだのか?!?!」
イツマ「やっぱりそうか、、。」
アシン「え、イツマは気づいてたのか?」
イツマ「確信はなかったがな。こんな意識がある夢なんて見たことなかったし、それにここに来る前俺ら三人ともトラックにひかれたからな。」
アシン「そうか。ここに来てから楽しすぎてトラックにひかれたのわすれてた。」
サナ「私も。」
イツマ「2人はそんなことだろうと思ったよ。」
アシン「2人が死んだのは俺のせいだ。本当にごめん、、。」
サナ「なんで謝るの。アシンを助けたいと思ったのは私たちだし、それに、死んでからもアシンと一緒にいられるなんて幸せだよ。」
アシン「でも、2人には大事な家族がいるのに、、。」
イツマ「心配するな。俺もサナもお前を助けようとしたことに後悔なんてないから。むしろ助けられなくてごめんな。」
アシン「2人とも、、。ありがとう。」
ゴンばあ「お前さんたちそれなら自分のお葬式まだ見てないだろう。死んだ者は現世で行われているお葬式を見ることができるんじゃよ。私のうちにおいで。」
アシン「俺、、見たくないな、、、。」
サナ「私たちも一緒にみるよ。つらかったら3人でつらさを分け合いっこしよ。」
アシン「サナ。。ありがとう。」
3人はゴンばあの家に行った。家具もほとんど雲で作られている。
どうやら雲のテレビに手のひらを当てたらその人のお葬式が見れるらしい。
アシン「、、、ゴクッ。見るぞ。」
アシンはテレビのスイッチを押した。
ポチッ。-ザザッ。
母「アシン、、、、。ああああ。ごめんね。ごめんね。あなたが傷ついてるの気づいてあげられなくて。ごめんね。こんな別れ方嫌だ。お願い。戻ってきて、、。」
父「アシン。お前のあの絵を見るまでお前がどう思っているのか全く知らなかった。俺は父親失格だ。お前はてっきり俺たちと話すのが嫌いなのかと思ってた。だからサナちゃんやイツマ君を通していつもアシンのことを聞いていたんだ。もっと俺たちから話しかければよかった。」
ジュン「アシン、、。お前は俺のたった一人の弟なのに、、。俺より先に死ぬなんて。嫌だ。これは嘘だ。」
ヒナ「にぃにっ。どこいったの??次会うときはこのお花さん渡すんだ。」
―プツッ。