第14話 仲間のために
サナ「やった――――!!」
アシン「セカイ!すごいな!」
イツマ「お疲れ様。」
セカイ「3人とも、一緒のチームになってくれてありがとう!」
テソ「俺が、負けた、だと、、?」
セカイ「おかげで目が覚めたよ。俺はお前に嫌われようがどうだっていい。本当に大事な人がそばにいてくれたらそれでいいんだ。いい勝負だった。ありがとう。」
実況「それでは引き続き閉会式を行います!皆さん整列をお願いします!
せーせきはっぴょーーー!
第3位 美人チーム! 前にお願いします!
美人チームには賞状とメダル、島中の温泉1か月間無料券が贈呈されます。
おめでとうございます!
第2位 ブラックサンダーチーム! 前にお願いします!
ブラックサンダーチームには賞状とメダル、島中のスポーツジム1年間無料券が贈呈されます。
おめでとうございます!
そして、、、
優勝!
セカイチーム!!!
前にお願いします!
セカイチームには優勝トロフィーと賞状、メダル、高級お肉1年間分が贈呈されます。
おめでとうございます!」
パチパチパチパチ
観客はセカイチームの並ぶ後ろ姿からなぜか目が離せなかった。
セカイ「ああーー、勝ててよかった。」
アシン「お疲れ。俺たちちょっとよるとこあるからセカイは先に帰っといてくれ!」
セカイ「わかった!」
セカイが帰るのを見送ると、アシンたち3人は中学校にいるテソのもとに向かった。
中学校では、2位になったブラックサンダーチームの表彰が行われていた。
表彰が終わり、下校するテソをアシンたちは呼び止めた。
アシン「よう。ちょっと場所移して話そうぜ。」
―――ドカッ
公園に着くやいなや、アシンはテソの顔面を思いっきり殴った。
アシン「よくも俺たちの仲間をいじめてくれたな。」
テソ「お前えぇぇぇ!!許さん!」
テソはアシンを殴ろうとするが、たやすくよけられてしまう。
アシン「そんなんでよく自分が強いと勘違いできたな。」
テソ「ハァッ、ハァッ、くそっ。
電光石化!!」
テソは雷の速さでアシンの周りを飛び回る。
テソ「フハハハッ。どうだ。余裕な顔できるのも今のうちだぞ。」
アシンはじっと前を見て動かない。
テソ「さらばだ。これでおしまいだ!」
―――ドンッ
アシンの死角から飛んできたテソを、アシンはひらりと交わして上から殴りつけた。
アシン「俺の周りをブンブンブンブンと。お前はハエか。」
いつの間にか公園には下校生であふれていた。
―――パチ、パチパチ、パチパチパチパチ
1人、また1人と、拍手し始めた
アシン「お前ら、テソのこと好きなんじゃなかったのか?」
1人が言った。
「俺たちはみんな、4年前のリレーがテソの仕業だってのは分かってた。だけど、テソが怖くて誰も逆らえなかった。
それにもしセカイが負けても悪くなかったことを、中3になって人の上に立つ立場になったことでわかったんだ。俺らが勝手に自分たちの期待をセカイに押し付けて、負けたら責めるなんて、恨まれても文句は言えない。」
サナ「そんな、、、。自分たちのしていることがいじめだとわかっていても何もできないふがいなさが悔しかったでしょうね。でもセカイがそれで傷ついたのは事実だよ。」
アシン「セカイは恨んでなんかいなかったぞ。みんなに嫌われたと悲しんでた。」
「俺らはそんな人をずっと、、、」
――ううっ。
テソが目を覚ました。
アシン「おお、やっと気が付いたか。」
テソ「お前ら、邪魔をしやがって。俺らの問題に部外者が口を突っ込んでくるなよ。」
アシン「勝ったのはセカイが頑張ったからだ。自分の負けを認めろよ。」
テソ「黙れ。俺があんな奴に負けるわけない。」
サナ「自分の弱さを認められない奴に強くなる資格はないよ。」
テソ「うるせぇ。おい、お前ら、セカイより俺の方が強いよなあぁぁ?!」
「ごめん、セカイのほうが、力としても、人間としても上だと思う。」
テソ「あぁ?!?!なんだと?!お前らの分際で俺をばかにする気か?!」
アシン「脅すのはもうやめろ。人が離れていくだけだぞ。」
「僕たちはもう弱い自分から逃げたくないんだ。」
テソ「許さねえ!」
テソがみんなに襲い掛かろうとした。
アシン「みんな、よく言った。あとは俺に任せろ。」
そういってアシンは皆の前に立つ。
アシン「絶対俺の後ろから離れるなよ。」
テソ「これで最後だ!サンダーボール!!」
テソは雷のボールをアシンに放つ。
アシン「おりゃああああ!」
アシンはそれを右手の手のひらでうける。
アシン「―――ふんっ!」
アシンはボールを握りつぶした。
アシン「お前なんて、能力使うまでもねえ。うせろ。」
セカイ「あ、みんなおかえり!何してたの??」
アシンたちはセカイの家に荷物を取りに戻った。
アシン「イツマがドジだから大運動会中になくした船のカギを探してたんだ。」
イツマ「ああ、そうなんだよ。パン食い障害物の時に落としたみたいで。」
イツマはアシンの足を踏みながら言う。
セカイ「ふふ。そうなんだ。」
セカイは3人の後ろ姿にありがとうとつぶやいた。
セカイは3人と別れた後中学校に行き、下校中に人だかりができていたアシンとテソの対決に出くわしてこっそり見ていたのだ。
アシン「これで全部かな。」
セカイ「え、みんなもう島を出ちゃうの?」
アシン「なんでそんな他人事なんだ。早く準備しろよ。」
セカイ「え、、?」
アシン「俺はお前とこれからも夢を追いかけたい。まあ。お前が行き痛くないなら無理には連れていかないけど。」
セカイ「い、、、いく、、、!!俺もずっとみんなといたい!」
セカイの両親は涙ぐみながら微笑む。
「あなたたちと出会ってからセカイは本当に目がキラキラしているわ。セカイをよろしくお願いします。」
アシン「出航だーー!本当に楽しかった!!ありがとう!!」
アシンたちが島を出ると聞いた島の人々がみなアシンたちの船出を見送りに来た。
「セカイ、今まで本当にごめん。4年間もずっと傷つけてしまった。ほんとうにごめん。」
そう謝る同級生にセカイは笑って答える。
「さっきは味方してくれてありがとう。嬉しかった。」
みんないっせいにセカイに抱き着く。
「絶対にまた会おうな!!」
アシンたちはセカイを加えた4人で運動の島を後にした。




