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プロローグ 死

「ここは、、どこだ、、、、?」


目を覚ますと、俺たちは青空に浮かぶ雲の上にいた。




―1日前―

俺、アシンは母と父、そして3つ上の兄のジュン4人で暮らしていた。


とても仲のいい家族であり、俺は末っ子なこともあって、両親にもジュンにも大切にされていた。


そう、5年前までは。



5年前、妹のヒナが生まれてから、家族の俺に対する愛情はすべてヒナに取られてしまった。


俺が話しかけても、ヒナが泣き出せばすぐにみんなヒナのもとに行く。


まだ当時10歳だった俺は家族が俺のことはもう嫌いになったんだと思い、その日から俺は家族に話しかけることもやめた。


話すのはおはようとおやすみの二言だけ。


ヒナに夢中の両親は俺が傷ついていることなんて全く気づいてない。


いつからか気づかれないようにつらくても常に笑顔で接するようになり、俺の感情は家族の前では出せなくなった。


しかし、そんな中でも幼馴染のサナとイツマはそんな俺の感情にいつも気づいてくれた。


2人の前での作り笑顔はすぐにばれてしまう。


俺はこんな親友をもててとてもよかった。




その日、俺は学校の美術の授業で、家族というテーマの絵を描いた。


俺の描いた絵は、笑顔なヒナを抱きかかえる両親とジュンの、袖を引っ張る俺の絵だった。


俺にとってはこれが普通で、なにげなく描いた絵だったが、これがコンクールで金賞を取ったらしい。


俺はなぜ賞をとれたのか、この絵が何を意味するのかわからなかったが、うれしかったので家族に見せようと思った。


これをほめてくれたら俺も家族の一員になれる気がした。



俺は期待と不安で家に帰った。


俺は皆で食卓を囲んでいるときに話そうと思った。


ご飯をいつも通り無言で食べ、俺は絵を見せようと机に持ってきた。


「これ、コンクールで金賞をとったんだ。」


久々に話し出した俺にみんなびっくりした顔を見せた。


みんなが絵を手に取ろうとした。


その瞬間


ヒナが起きてきた。


「あら起きたの。何か食べる?」


母はヒナのもとへ行った。父もジュンもヒナのほうを見ている。


俺は、ここに居場所がないように感じた。


悲しい。苦しい。俺のほうも見てよ。


そう思った。


俺は家を飛び出した。


たくさん走って、気が付けば、俺とサナとイツマで小学生の時作った秘密基地にいた。



30分ほどが経った。


足音が聞こえてきたので俺は身を隠した。


、、、ザク。、、ザク。、ザク。


ガサッ。


「いた!アシン!」


サナとイツマだった。


どうやら家族が二人の家に俺が来ていないか確認したらしく、それを聞いて2人は来てくれたらしい。


「やっぱりここだったんだ。アシンはつらいとき必ずここに来るもんね。」


「俺たちがいくらでも付き合ってやるよ。」


こういう時何も聞かずにいつも隣にいてくれる2人は何て優しいのだろう。この2人にいつも救われている。


俺たちはそこで2時間くらい遊んだ。



「そろそろ帰らないとまずいんじゃない?」


「そうだなー、どうしたい?アシン。」


「俺はまだ帰りたくない。」


「じゃあ、俺の家に来るか?お前の家族には俺から連絡いれるから。」


「ほんとか?!ありがとう!」



俺たちはイツマの家に3人で泊まることにしたので、イツマの家に向かった。


「久しぶりだな。3人でお泊りするの。」


「私トランプしたい!」


「おお!それいい案だな!サナ天才か?!」


「わかったわかった。まずお風呂入ってからな。2人ともさっき遊んだとき泥だらけになっただろ。」


「「は~い。」」


そう、その時だった。


キキィーーー!!


「「アシン!危ない!!」」


ドン!!!


俺は気を失う直前、ぶつかってくるトラックと、俺を抱え込むサナとイツマの姿が見えた。。。

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