表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君に送るワルツ  作者: 青木星
21/34

19話ありったけを君に

バトルシーンはかなり燃える出来です。


ぐちょぐちょな土で、潔癖症な進之介は

露骨に有賀嫌な顔をしながらステージに立つ。


対する僕は、汚れる事は日常茶飯事なので

特に気にしない。


あの夜の時もそうだけど

進之介はかなり手強い相手だ。


もしかしなくてもカルミア様との試合で

手加減していただろうから。


僕は、能力をあまり長く持続して使えない事は

何度も倒れて理解したので

なるべく短期に決着をつけるように思案する。  




…となると、最初の一撃にありったけをかけるべきだね。


あの頭のおかしな女の子に勝った時は

手加減してとどめをさしたが…、


進之介に手加減したらきっと返り討ちにあって

しまうだろう。


だからこその一撃に全てを賭ける。


この一撃を放ったら最後、僕はまた意識を失ってしまうだろう。


「よーぃ!!はじめー!」


先生の合図と同時に僕は、能力の先読みを使う。


どうやら有賀くんは、僕の攻撃に護りで対応してくるようだ。

突撃してこなかったのに僕は安心し、

すぐさま一撃の準備にかかる。


「ほぉ、短期決着にも連れ込ませるつもりだね。

フヒヒ、面白いね。それじゃ僕は君の渾身の一撃から

身を守りきってその後に反撃といこうか」


僕が体内にあるすべての神聖力と体力を限界まで絞り出し、溢れ出した光を


慈愛神之愛ラヴァーヴィーナス

二つ目の力である光剣ヴァイオレッドに吸収させる。


その溢れる力に反応した光剣は金色こんじきに輝き

準備完了といった様子を見せてくれる。


この時点でかなり体力を使い倒れてそうになっていた僕だが、踏ん張りこの一撃を放つ。


「いくよ、進之介。」


先読みを使っても僕がこの一撃を放った直後に倒れてるところまではわかるが、

一撃によって出る光が眩しすぎて進之介がどうなったのかまでは知る事が出来なかった。


僕は左足をあげ、左足が地につくと同時に放つ。


光剣の剣技、奥義…!


「フラッシュブレイク!!!!!」


眩い光の一撃がくりだす。


一撃を放ちその直後に僕は意識を失うように倒れた。


雲に穴が開くほどに溢れ出る光剣の力は

そのまま上から進之介の元へと放たれる。


進之介は、持ち前の創造で創った能力である

鉄壁之壁バリアで春馬の一撃を止められるだろうと

たかを括っていた。


「こんなの、防ぎようがないじゃないか…、」


進之介は、守る事から避ける事に完全に考えをシフトして別の能力、加速アクセラレートを使って避けようとしたが間に合わず…、


ぷしゃぁぁぁぁぁ!!!


右腕が光剣の剣撃の餌食となり、チリと化する。

腕を失った肩からは溢れんばかりの血が吹き出していた。


それでも進之介は冷静であった。


治癒ヒール。」


進之介は応急手当てをする。

もちろん失った右腕を再生できるまでには至らなかったが…。


春馬が放った一撃は、闘技場にもダメージを与えた。


なんと闘技場のステージと観客席の間に張り巡らせていた防御結界が破られたのだ。


運良く春馬が放った直線上の位置に誰もいなくて良かったが、もしいたらその人は死んでいたかもしれない。


そして、防御結界だけではなく、闘技場自体も破壊し、

闘技場の外に能力の被害が出ないようにと

張り巡らせていた防御結界も破壊されたのだ。


春馬が放った一撃は2重の防御結界により、

外への被害はなかったが

今日はこの闘技場では試合ができないというほどまでの

被害を被った。


はぁーっとロビンフは頭を抱えてその様子を見る。


「ありゃ、ヴィーナス様ほどではないが

一様この世界の管理者となっている神族〝神に進化する前は天使族〟が作った結界だぞ?

それを壊すとは、坊主は想像を超えるほど

やばいやつなのかもしれんな…。

後…、この修理絶対俺のせいにされるじゃん…。」


俺は、あの学園長が苦手だ。


学園長、そう神であるハルカス・ルーレットだ。

俺はヴィーナス様の推薦でこの学園の教師に

なれたのはいいが

このハルカスってやつはそれに対して俺に敵対視してきたやつだ。


まぁ勉強を教えられない部外者が勝手に入ってきて

教師をやるって事に不安を覚えるのは分かるが、


こいつの場合、シンプルにヴィーナスと普通に喋っていた俺が憎たらしいといった感情を持っているだろう、

いや確実に持ってやがる。


そんなやつにアイツが創った闘技場が壊れました、

直してくださいなんていったら

どんな仕打ちにあうことやら…。


俺はらくたんしながら試合の判定をいい渡す。


「坊主戦闘不能、有賀の勝ちだぜ」


俺は、そういった後有賀に今すぐ治癒士の元に行くよう伝え、俺も倒れてる坊主を背負って治癒士の元へ向かった。


「お前ら、この闘技場じゃ試合は出来ねぇ。

隣の正方形の形をした闘技場に向かってくれ。


15分後に予定していた次の試合を行う。

いいな?」


Sクラスの生徒は皆コクっと頷き、観客席を後にした。



…、それにしてもあんな力があるなんてな春馬。

俺も本気じゃなかったら負けるなこれは…。


秋良は、進之介を哀れに思い、素直に春馬を賞賛する。


「ありゃ、初見殺しもいいところだ、ハハハ」


春馬は、腹を抱えるように笑い、

近くにいたSクラスの女生徒と観客席を後にした。


一方カルミアは、皆が席を後にして隣の闘技場に向かっているというのに対し、ただ呆然と破壊された闘技場を見ていた。


「あんなの…、反則じゃない…。」


カルミアは、今まで狂うほど憎んでいた春馬への気持ちが今までしていた自身に対しての過剰な評価に強い恥じらいと後悔を感じていた。


「私は、まだまだだし、人を見下せるほど強いわけでも偉いわけでもないって事…ね…。」


カルミアは祭りの後のゴミだらけで静寂が場を支配する会場のように席を後にした。


カルミアが歩いた後の地面には、

雨が先ほど止み、乾いていたはずだったのに、

新たに水滴がこぼされしみていた。  


それはカルミアの席から闘技場を出るまで。


かぜやむときか


ーフェイランー

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ