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2019/06/03 14:50/鷦鷯飛蝗
蜂か蝶かも判然としない蝉がふらふらと横切っていった二年前
午後、炎天下に白く焼け出されながら
僕は
明度を上げる世界に眼を灼かれ
諦めとともにタンクローリーの影に隠れた
スクーターが蔓延る昼下がり
肘を咬まれ
雲間という雲間を恨みながら痩せ細った三年前が見えた
無駄な往復は醒めながら夢中にある証拠であり
立ち上る汗の匂いに自己嫌悪を滾らせる
自意識過剰の自覚は敬遠の自己参照を始め
シャットダウンを知らない回路はそれでも回りつづける
差異を知らなかった
才を知らなかった
同じやり方で敵うはずもなかった
認めたく無さに駆けずり回り
虫さされと掻き跡だけが増えた
そうしてやっと今日の昼下がり
太陽は雲に隠れて
取り戻すために僕は登っている




