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2019/05/11 20:45/鷦鷯飛蝗
めがねをかけるとせかいがみえる
せかいがみえるとあたまがいたむ
めがねをはずすとせかいがとける
とけたせかいをとらえてもがく
意志も記憶も遺漏の彼方
見えぬままでも悪し様響く
皇祖黎明の柳成塚に流離う
よもや世も末蘆屋に降りず
凪ぐな杜の末間に求む
逃げて我が身は骸になれよと
心ばかりが岩屋を動かぬ
夢を棄てれば負うのはこの手
道を拾えば均すもこの手
両の一組足りずにその手
捥いで繋いで萬に届く
掴み漏らさば天まで大事
責めを負わねばこの身を奉じ
遂に得かねた望みも忘れた
望みを得たかも確かに忘れた
せかいをもう
みることもなく
めがねもいらずめもいらず
わするばかりでじぶんもしらず
わかれわかれてひとりとしらず
ただよろこびとともにきえゆくのみとことほげば




