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2019/06/12 22:02/鷦鷯飛蝗
「空が蒼いのって、当たり前じゃあないからさ」
そう言って笑ったあの時のお姉さんはどうしているだろう
空はカラカラに晴れ渡って、こんなのありがたくもなんともない
感謝なんてするわけないだろ
喉が渇く
「いつか私が当たり前にしてあげる、こんな、嘘みたいな描き割りの蒼空を」
これはあのお姉さんのせいなのだろうか
そんなはずはないと
そんな人ではないと
そもそもこんなこと、人にできることではないと
でも
「そしたら、一緒に観ようね、満天の星空」
あのときの目を思い出す
行きたい
会って確かめたい
あの日消えた彼女に
名も知らぬ語り部に




