異臭がしますっ!?
翌日~
あれからミルーとより一層打ち解けれたと思う。いい笑顔をたくさん見せてくれるようになった。
元の世界のお父さんお母さん、彼女も恋人もいないけど私、父親になりました。
毎朝恒例の朝露集めをミルーと二人でやっていると。
気がついてくる自分の服から漂う異臭。
そりゃしょうがないね。4日間森の中にいて、体洗うなんて水の無駄遣いなんてできない。
汗や泥や返り血や鼻水や聖水でコーティングされた服は、早速凶器と言ってもいいかもしれん。
ちょっと離れたとこを歩くミルーも申し訳なさそうに少し距離を取っている。
ちょっと待ってほしい。ミルーさんあなたにもこの異臭の原因があるんですよ。なんてこと考えてたら。
「グルルルル」
すごく唸り声が聞こえる。
また化け狼かと周囲を見渡すと。
「わんっ!」
わん?可愛らしい鳴き声だなと思った。
茂みから飛び出す巨大な影。
クリっとした目に、三角の耳、きつね色の毛に、くるんと丸まった尻尾。
柴犬ですわコレ。つかデカイ、昨日の狼よりも更にデカイ。2mぐらいありそうなんだが。
「グルルルル」
唸ってるぅーーー。すごく鼻をヒクヒクさせながら唸ってらっしゃる。
いやー自分でも臭いのは分かってるんですけど、そんな怒らなくてもいいじゃないですか。
とりあえず、少し離れてるミルーと合流しなければ。
握りしめる呪いの棒。そして空を切る指。
何故か消えてる呪いの棒。えぇ・・・
ミルーの手の中にあるし。まぁ一安心かな。
突如ミルーに襲い掛かる犬、動かないミルー。
ミルーのお腹をくわえて真上に放り投げる。ヒヤッとした。
きれいな放物線を描きながら犬の背中に着地。
棒を携えて巨大な犬にまたがる幼女。かっけーなおぃ。ちょっと犬もドヤ顔なのがはらただしい。
ミルーが無事なのはよかった。問題は真正面にいる俺ですハイ。
呪いの棒の突然の裏切りに動揺が隠し切れない。
あの大きさの犬ならそれこそ一飲みで胃袋に収められそうではある。
どうしようとか考える暇なく頭からくわえられた。
犬の口の中とても臭いです。それとものすごい速さで移動してるのはわかる。
ハッハッって犬の息がまた臭い。
窒息するかもしれんね。
しばらくすると小川に吐き出された。犬の唾液で上半身ベットベトである。
いったい俺が何をしたと言うのだろうか。そりゃ臭かったけどさ。
犬は俺を吐き出すと一生懸命水のを飲み始めた。
いつの間にか犬から降りてきたミルーがそれに続く。
最初はミルーが水を飲むのを止めようと思ったが、そもそも葉っぱの上の朝露なんて飲んでた俺たちがとやかく言えたもんじゃないな、と思い自分も飲み始めた。犬も飲んでるし平気でしょたぶん。
みずうめーーーーーー!!潤っちゃう。