初戦闘!?
これは詰んだかもしれんね。
「ガルル」
狼なのか?、俺の胸の高さぐらいある、黒くてデカイ。決していやらしい意味ではない。
実物を見たことないけど俺の知ってる狼は、こんなんじゃない気がする。
それが3匹
落ちつけ落ち着くんだ大輔!まず冷静に状況判断だ。
・ファッションセンターで購入した服(背中からズボンにかけて聖水加工済み)
・同じところで買ったショルダーバッグ
・背中に固定された幼女(聖水をだしちゃった系女子)
・俺に襲い掛かってくる棒
これはもうだめかもわからんね。
棒は武器っぽいけど、こんな至近距離で棒と戯れてたら、即狼の胃袋にシュートされてしまう。
妙に背中があったかだわ、我々の業界ではご褒美ですってよく聞くけど、その業界に所属してないからご褒美でもなんでもないわ。
まぁビックリしちゃったからしょうがないね、おれも若干ズボンの股間部分が湿ってる気がしないでもない。
ミルーのってことで大人の威厳を保とうと思う。
しかし、すぐ襲ってくると思ってたけど、襲ってこないな。警戒してるのかな?
いや、まて逆に考えるんだ。
幼女を抱えた小汚いオッサン
これは警戒しますわ。
むしろこの狼達のほうがいい人、いい狼っぽく見えるな。
見た目怖そうな人が実はいい人だったってよく聞く話やしね。よし決めた、話しかけて誤解を解こう。
「あのーこの子はあっちの森の中で遭難してて、私はそれを保護してですね、いや保護って言っても誘拐って意味じゃなくてですね、あッこの聖水もご褒美ってわけじゃなくてそっちの業界関係者ではないんですよ、よかったら助けてもらっていいです?」
普通に襲ってきた。
ミルーちゃんぐらいは助けたかったけどこれは無理かな。
襲い掛かってくる狼に棒をもって飛び掛かる俺… おれ!?
なんで飛び掛かってんの?体が勝手に棒で狼蹴散らしてんだけど、自分の体が勝手に動くって気持ち悪いなこれ。
槍とか持った武将達が大暴れするゲームなのかなこれ。
俺の隠されたパワァーが発現してしまったか…フッ。アッ狼の頭はじけ飛んでるじゃん、グロ系とかスプラッタ系、苦手なんですけど、ホント見ないようにしよ、吐いちゃう。
覚醒された俺の力で圧倒的勝利。
周囲には3匹の狼の亡骸、棒を構え幼女を背負う俺、口元からにじみ出るゲロ。
完全勝利の瞬間だった。