女剣士リリーナ サイド
女剣士リリーナ 赤髪ポニーテール
アルキア王国北東に位置する 無属性のダンジョンの街タスラを活動拠点とするBランク冒険者
女剣士の隣を歩く、青髪少女ががっくりと肩を落とした。
「はぁーついてないわね」
「メイラ、そんなため息ばっかりしてると不幸になるわよ」
ため息をして不機嫌オーラなローブを纏った少女メイラ、同じパーティーで活動しているBランク冒険者。
「気持ちはわからなくもないけど、指名依頼を受けたのはメイラでしょ」
「うぅ…それはそうだけど…」
今回の指名依頼、私とメイラと他二名で、魔の森付近の村まで商人の護衛依頼。馬車で往復3日。
本来であれば、Cランクの冒険者達で請負う依頼だが前回、依頼の失敗があった、生還者は商人のみ。
途中、黒狼 が一匹現れたらしく護衛のDランクパーティーは全滅したらしい。
黒狼の討伐ランクはBランクの魔物だ、群れだとAランクでも危ない。
この街にいるBランク以上は私たち含めて6人しかいない。
割に合わない。
数時間後~
門の所に今回の依頼参加者が集まった。
こちらの到着に気がついた商人が下卑た笑みを浮かべて話しかけてきた。
「これはこれは、新進気鋭のリリーナパーティではありませんか、お噂どうり美しい」
「私はリリーナ、こっちはメイラ、二人ともBランクよ」
商人をスルーして自己紹介すると、商人は舌打ちして荷馬車の方に歩いて行った。
「おいおい、あんま依頼主をいじめるんじゃねえぞ」
槍を持つオジサンが話しかけてきた。
「おれはガザルBランク、リリーナやメイラは何度か顔合わせたことはあるが、得物は槍だ。」
「……最近、この街に来たザインBランク、武器は短剣だ…」
互いに戦い方の情報交換をして出発した。
半日ほど馬車で移動して昼食の為、休憩しているとき。
商人が食事を振る舞ってくれるらしく、その準備中にガザルがつまみ食いをした。
ガザルが痙攣し心臓をザインに刺された。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
メイラが叫ぶ、周辺に現れる盗賊達。普段のメイラなら叫ぶことなどなかったのだろけれども、完全に油断していた。
「ザイン、目的はなんなの?」
「………」
私は、自分やメイラを落ち着かせるように時間稼ぎの為に聞いた。すると商人が下卑た笑みを浮かべて話しかけてきた。
「あなた達を買いたいっておっしゃる方がいましてね、お二人で金貨60枚ですよ60枚!!」
「私たちをおびき寄せる為だけに、前回のDランクパーティー殺したの?」
「いえいえ、あの子達のような女性四人組の駆け出しパーティー達もなかなかいい値段で売れるのですよ、ついでですついで」
「クズね」
「本来であれば、ガザルと同じようにマヒにさせて、商品を傷つけないように拘束するつもりだったのですけどねぇ」
そう言いながら、大量の血を流し動かなくなったガザルを蹴りつける商人。
分が悪い、盗賊達は30人前後、同じランクのザインまでいる。
一点突破で包囲網を抜け荷馬車を奪い脱出するしかない。メイラに目で合図を送ってタイミングを図る。
私は荷馬車の方にいる盗賊に火炎の魔法を、メイラは後方の盗賊に水流の衝撃波を放って荷馬車に走る。
だがザインに追いつかれ荷馬車に飛び乗れなかった。
その時、魔の森から強大な魔力を感じた瞬間、巨大な影が飛び出した。
風のように立ち去る金色の獣。
ザインと自分達の間に棍を手に持った青年が立っていた。青年は下を向いて悲しそうな顔をして、それから周囲を見回していた。
「貴様は盗賊の仲間か!」
「いいえ違いますっ!サー」
盗賊の仲間じゃない?しかし信用できない。
青年がぼそぼそと喋っていた。
(・・・ころさずむりょくか・・・)
その瞬間、私は青年に飛び掛かった。




