咎人の日常・贖罪編
お久しぶりです・・・
レーナ達戦闘員が、周辺に集まってきたネクロを殲滅し始める。四方何処からネクロが来ようとおかしくない外において、撤退時に使う場所のクリアリングは必須だ。
「エドナ!そっちに逃げたよ!」
『あいよー』
レーナが知らせた直後、マグナムの特徴的な銃声が響く。
「流石レーナ、追い込み漁も得意だねぇ」
その銃声の方向から、エドナがリロードをしながら歩いてくる。
「エドナも。ナイスショット」
「ん」
二人で軽く手を合わせる。
「セーフティゾーンは確保出来ましたね。残骸集め部隊の皆さん、クリアリング完了しましたよ」
メルヴィが声をかけると、残骸集めの隊員が、身の丈程ある巨大な六足歩行の機械を連れて出てくる。
「いや、流石主力と言われる方々だ。素晴らしい手際ですね」
その先頭にいた隊長が感嘆する。
「それが我々の役目ですから。では、よろしくお願いしますね」
「了解です。ではこれより資源収集を開始します。護衛部隊は引き続き周辺の警戒をよろしく頼みますよ」
その合図で数体の六足歩行の機械が駆動する。
「二手に別れましょうか。レオン、第二分隊の指揮はお任せしますよ」
「はい。任せてください」
レオンは揚々と答える。
「何かあれば即連絡を。それでは残骸集めの方々も分隊をお願いします」
そして二手に別れた後、レーナとエドナは六足歩行機械の前を
歩く。
「何時見ても面白い兵器だねぇ。「コレクタ」だっけ?」
エドナは時折後ろを向いてその六足の機械、コレクタを見ている。
「まあ戦闘能力はほぼ無いらしいけどな。ただ大量の物資を運べるんだろ?」
同じく分隊にいたレオンが、コレクタに乗った隊員に訊く。
「ええ。原型は戦闘車両だそうですが、それに改造を施したものです」
「へえ・・・と、止まってくれ」
レオンは何かに気付くと、全員に停止の合図をした。
「・・・いる?」
三人は少し先に進み、廃墟の影から奥を確認する。そこには中型と小型のネクロが小さな群れを作っていた。
「・・・どうする?」
「放置するのは危険だな。エドナはここで待機して残骸集め隊を守ってくれ。レーナ、俺が前に出て引き付ける。後はやれるか?」
「おーけー。任せて」
即座に三人で確認を取ると、レオンが最初に動く。
レオンの「箱」が展開され、両刃のブレードに変形する。更に両刃が二股に変わり、グレネードが投射される。
それだけでは致命傷は与えられないが、それに怯んだ所をレオンはすかさず追撃し、小型のネクロを蹴散らす。
不用意に継続せず、レオンは中型のネクロの攻撃をいなす。
中型は小型より強靭であるため、下手に攻撃は喰らえない。まだ残っている小型のネクロも同時に対処していく。
その間にレーナはネクロの背面に回り込む。施設として機能していなくとも、辺りに残る廃墟は障害物として十分に役に立つ。壊れた入口から廃墟に入り、崩れた二階部分からネクロの背を捉える。
「・・・ん。やれるね」
レーナはそこから飛び降りると、着地直前に瓦礫を蹴る。同時にレーナの脚部から強烈なエアーが噴出される。それを推進力にレオンと戦闘中のネクロの首めがけて肉薄する。
それに反応して、レオンはネクロの攻撃を大きく弾く。そしてその瞬間、レーナがブレードをネクロの首に突き刺し、ダメ押しの様にゼロ距離で榴弾を打ち込む。
その直撃を喰らったネクロは首が吹き飛んだ状態でその場に転がった。
「・・・よし。ナイスレーナ」
「レオンも」
「二人共お疲れ。・・・それじゃ、これも回収するんだっけ?」
ネクロの殲滅を報せると、残骸集めの隊員とコレクタがネクロの死骸に近付く。
「ええ。甲殻部分や、このネクロ特有の黒い血液も研究材料になりますからね」
「へぇ。こんなもの集めて何に使うんだか・・・」
「甲殻部分なんかについては俺らの武器、というか「葬具」全般の補強材として使われるけどな」
葬具というのは対ネクロ用に造られた兵器の総称の事で、全てが全てレーナ達が持っている箱型では無いが、人が持つ葬具の初期状態は大体が箱型のようだ。
「さて、回収するのもノルマがあるんだろ?」
「あ、そうですね。評価点・・・と言えばいいのか、資源ポイントみたいなものがありまして。ネクロの素材等はそれが高かったりしますね」
「そんなシステムあるのか。そっちも大変だな」
武器を再び戻し、再度周囲を見渡す。
「この辺りにネクロはいないみたいだな・・・この辺の瓦礫にも使えるものは?」
「まあどんなものでもないよりましでしょう。回収するのでその間、周囲の警戒を頼めますか?」
「「「了解」」」
コレクタが動き始め、辺りに散らばっている古いコンクリート塊を集め始める。
それを確認しながら、レオンはぼやくように言った。
「・・・なんだかよ」
「ん?どうしたのレオン」
「ネクロが少ない気がするな。いつもならこんな廃墟群、ネクロの格好の巣だろうよ」
「あー、たしかにねぇ。そりゃあ全くいないわけではないけども」
レオンにそう言われて、エドナもその若干の変化に気付き、頷く。
「皆さん、一通り回収完了です。次のポイントに行きましょう」
「・・・いちお、報告内容に入れておこうか。領域から少し離れてるといっても、ネクロなんて色んなところうろつくし」
「そうだね。残骸集めさん、移動しましょう」
レーナが進行のサインをすると、残骸集めの隊員は了解の意志を示した。
「次のポイントでの収集が終わったら回収ポイントに戻るか。
まるで一つの巨大な迷路のように入り組んだ廃墟群、もとい旧都市部を分隊は迷う様子無く進んでいく。
今の所、バックにサポーターがいる様にも見えない。
途中何度かの接敵があり、ただし少数のネクロを殲滅して廃墟群を抜ける。
「・・・ここでもネクロが少ないな」
「そうだね・・・。この辺りのネクロが減ってるみたい」
「逆に気味悪いかも。資源は十分集まったし、行こうか」
「了解です。撤退時もお願いしますね」
「ああ、レオン。そちらが先だったか」
初期の地点に戻ると、ルークが一人仮設コンテナにもたれていた。
そこには数体のネクロが放り込まれていた。
「番お疲れ様だルーク。その感じを見るに余裕そうだな?」
「この分なら問題は無い。・・・そちらもか」
ルークは抑揚の無い声でレオンに応える。
そして分隊を見て、ほとんど消耗が無い事を確認すると、察したように言った。
「まあな・・・いつもよりネクロが少なかった」
レオンがそう言うと、ルークはその固い表情を少しだけ動かした。
「ほう・・・確かに言われてみればそうかもしれんな」
「とりあえず環境報告に載せておこうと思ってる」
「了解だ」
その時、メルヴィの分隊も合流した。
「ああ、もう着いていましたか。これで今日の贖罪は達成ですね」
そう言うと、メルヴィはメンバーの確認を行うと、退却の信号を打つ。
「ねぇメル姉」
「はい?なんでしょう」
メルヴィが信号を打ったのを確認すると、レーナはメルヴィに探索の結果を告げる。
「・・・なるほど、そちらもでしたか。了解です、報告しておきましょうか」
その若干の異常を総員で確認する。
そして、間もなく輸送機が到着した。
領域、要塞の外。そこは一般の生存者達が暮らす小さい都市。
何十年かの間にその小さい範囲ではあるものの、従来の技術を復興させている。
「・・・ここか」
その街で一人の青年が要塞を見ながら呟いた。
「さて、行動開始だな」
その青年が「外」から入ってきたことなど、その時誰も知らなかった。
ある投稿者は言いました。投稿はかなりゆっくりになる、と。
・・・かなりゆっくり、で二か月もすっぽかす人なんていますかね。
はい、ここに居ますと。もう少し、小説に力入れていきます。
こんな感じですが、他二つ共々よろしくお願いします。
それでは最後までありがとうございました。




