プロローグ
初めての方は初めまして。そうでない方はこんな気まぐれで書いた話まで見てくださりありがとうございます。黒雪です。
・・・かつて。
この地には「国」というものが存在したそうだ。
あちらこちらに今でも広がる倒壊した建造物、散らかる瓦礫、土の隙間隙間から見えるコンクリートの地面は、ここに人が、文明があった事の証明になるだろう。
・・・そんな地も、今では生の気すら感じない。
植物が無いわけではない。空は昔も今も変わっていない、らしい。
生の気が感じられない。それは、生命が途絶えているという意味ではない。
弥が上に、そう感じるのは恐らくここ一帯の妙な静けさと・・・
地面に転がり、黒い血を流している「それ」の所為なのだろう。
獣とも思えぬその異形の生物は、幾十数年に何時、何処かも解らず出現し、猛烈な勢いで世界を「侵蝕」したとされている。
異常な生命力、筋力、適応能力。まるでそれには「生」がないようで・・・
そういった意味を含み、それは「骸」と呼ばれるようになった。
ネクロにより人間の社会システムは瓦解。
都市はほとんどが放棄された。生存者は散りじりになり、その一部はネクロに襲撃された。またそこから生き残った者達は各々で集まり、人の文明の残り香を集め小規模の都市、「領域」を創り、辛うじて文明を復興させていった。
・・・勿論、そこに至るまでに犠牲が無かったわけは無い。しかし一度文明が滅び、そこから領域が点在するようになるまでは、まるでネクロが世界を侵蝕した時の如き早さだった。
領域に住む人々はそんな事を今更気にしないだろう。
きっと知らないのだ。
領域の外郭に建てられた領域を管理、防衛する要塞。そこで暮らす者達の真実。
呪われた力を持ち、「咎人」と揶揄され、自由を奪われ。それらの裏で戦い続ける者達の事を。
「・・・レーナ。この周辺は落ち着いたようです。撤退しますよ」
「んー・・・りょーかい。今行くよ」
少し距離があるところから、声がかかる。
辺りで動かなくなっているネクロを他所に、声の主の方へ歩いていく。
少し前。
その時咎人達は知らなかった。浅慮だったのだ。
この身に流れる血に科せられた、抗い難い運命を。
―――これは、荒廃した世界に存在する領域のほんの一部で起きた事件。
そして私は知る。
絶望と同時に、その運命すら変えてしまう者の存在を。
前書きで書いてますが改めて、黒雪です。
クリミナル・ブラッド略してクリブラ。二作品書いている途中なのにまた思い付きで簡単にエピローグを書いてみました。
前の二作品とは作風が一風変わって、個人的にはそこそこ満足しています。
まあ流石にこれの投稿はかなりゆっくりになりますが・・・感覚としては平日空いてるときにクリブラ、休日に零落者とコード・ゼロ、という感じになります。
あ、作品増やすだけ増やしてペースが乱れる事は無いようにします。・・・なるべく。
というわけで、最後まで見て頂き、ありがとうございました。




