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箸休めとフロック

作者: ぽっけん

ああ、何時ものだ。

腰に痛みが襲う。



練習をする前、ストレッチをするし、終わった後もケアを忘れない。


だけど、痛いものは痛い。

立っているのが辛い、お尻の筋肉からわき腹まで拳で殴られてるかのような痛み。



もうやりたくないと何度思っただろうか?






今日はさぼっちゃおうかな?

調子も悪いし、逃げようかな?

先生は見てないし、適当にやろうかな?

もう先輩も帰っちゃったし帰ろうかな?

ノルマも終えたし終わりかな?

もう日が暮れたし怒られるかな?

これ以上やったら体壊しちゃうかな?






少しでも皆に追いつけたかな。



結局、授業が終わってから時計の短針は反対まで動いている。

ばれないように裏門からこっそりと出て行くんだ。









「すごいじゃん!まさに、ダークホースだね。」

「本当よ!勝ってくれて助かったわ!」


皆、自分のことのようによろこんでくれて、少し照れくさかった。


「偶然ですよ。ビギナーズラックってやつです。」

「運も実力の内よ。この調子で次の試合でもとことん発揮してねー。」


はい。と先輩達に笑顔で答えました。



「相手の、一番に出てきた子ってまだ一年生で初めて3ヶ月らしいですよ。」

「まじ?確かに私も調子でなかったけど、あの子フロックが多かったと思うのよね。でもそれに負けちゃうのかー、今日はスイーツやけ食いよ付き合いなさい!」


またですか!?、と相手の選手が返事をしているのがのが聞こえる。



試合に勝てた。ぎりぎりだけど勝てたんだ。

たとえ偶然だったとしても、とても嬉しかった。私もケーキ食べちゃおうかな?







先生に試合の結果を報告をした。相手の人は調子が悪かったこと、自分が調子がよくてフロックが多かったこと、競った試合だったこと。



「全くお前らしいな。最後のほうしか見れなかったけどいい試合だったぞ。」

「いやそんなことは、運よく入っちゃうことがあったんで相手の方にも申し訳ないです。」



先生はそんな私をみて怒ったような顔になる。

「お前、昨日何時まで学校にいた?てかいつも何時まで練習してる?」

「え・・・いや、昨日は七時くらいですかね?」


嘘をつくな!とピシャリと渇を入れられる。



「6月の施錠担当は私だ。お前がいつも裏門を開けるから私が閉めてから帰っている。そして、家に着く頃には日が変わっている。家には息子と娘が一人ずつ、女房にも飯を待たせている。先に食えと言ってもきかなくてな。」

「えーっと・・・?」

「貴様が言ううんという物を良くするために迷惑を被ってると言ってる。」

「あっはい!ごめんなさい。これからは早めに帰ります。」



先生は少しため息をついた後、私を真っ直ぐ見てこう続けた。

「Fluke does not occur more than once」

「え?」


英語教師特有の、のっぺりとした日本語英語ではなくて、早くてなにを言ってるのか聞き取れなかった。


「すいません、それってどういった・・・」

「勉強不足だ。これくらいの英語なら聞き取れて当然だろう?英語の成績もあまりよくないしな。そんなお前にこれから毎日、補修のプレゼントだ。練習が7時までだから、そこからみっちりと英語の勉強をする。」

たしかに英語の成績はよくないけど、他もよくないからそれが苦手というわけなじゃない。



「ただ、俺も勤務時間外でかわいい生徒に教授するわけだからな、少し体を動かしながら教えてもバチはあたらないだろう。付き合いなさい。練習場を使うからそこに明日から集合だ。」



えーっと、情報が多すぎて理解できない。つまりは私が無茶な時間まで居残り練習してるからそれに付き合ってくれるってことだよね?英語の勉強をしながら。



「その、なんていうか、ありがとうございます。」


「但し!先生として顧問として生徒にケガをさせる訳にはいかん。その・・・実に言いにくいことなんだが、先生は教員免許の他にも整体士の資格も持っていてな。えっと・・・痛むのなら腰とか見てやれるかもしれん。」



とても優しくてありがたい言葉。だけど、

「先生。高校一年生の女生徒に向かってその発言はいろいろ問題が出ます。」

「ちがっ!決してやましい思いなどひとつもないぞ!!そっそれより初勝利のお祝いだ。アイスとかケーキくらいなら、おごってやる。」


本気であわててる姿はさっきのカッコイイ先生からの落差でとても可笑しかった。




ケーキか。甘くてふわふわでおいしいだろうなぁ。




でも

「いえ、すいませんがこの後は学校に戻って練習したいので、明後日は本線が始まりますし。」

「ケーキくらいその辺で買えるだろう、もらっておけ。」

でも、もらえないわけもある。

「いえ。結構です。体重が増えると、パフォーマンスに影響がでるので。」





先生は心底あきれた目をしたが不思議と嫌な気持ちにはならなかった。












でも、やっぱりケーキ食べたいーーー!



もうやりたくないと何度思っただろうか?

でも、そのたびに強くなりたいと心から願います。













こんばんわ。ぽっけんです。

これから連載をしていこうと思っている小説のサイドストーリーを書いています。今回は軽いお話を書いてのんびりしようかなと思っていたのですが。創作意欲に負けて睡眠時間4時間コースです。明日は5時から撞きにいくのでもう寝ます。最後まで読んでくださりありがとうございます。ご感想お持ちしております。

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