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2年B組、今日からわたしはこのクラスの一員となった。
クラス替えはまぁまぁ当たり。
親友のグループとはみんな離れてしまったが仲の良い友人は結構居たし、男子の面子も悪くない。
そしてこの中に実はひそかに気になる男子も居る――
「野田ユウスケです。えーっと趣味は爆笑すること!将来は絶対でっかくなりまーーす!」
自己紹介の時間、クラスを湧かせたのは少しお調子者でやんちゃな野田。
直接話したことはなかったけど1年の頃から目立つ存在だったし、よくモテる。
野田に思いを寄せる女子が多い中、友人の前では興味のない素振りを見せていたわたしも、実は彼の無邪気な笑顔に前々から心を奪われていたのだ。
「ねぇねぇマリ、やっぱり野田ってかっこいいよね!?」
「……」
「マリってば!聞いてるー?」
「えっ!!!あぁぁあ、よ、吉成マリです!えと、好きな食べ物はビビンバです!給食の!宜しくお願いします!」
「え!?」
キャハハハハハハ―――
教室に笑い声が響きわたる。
「なーに先走ってるのよ吉成、お前の番はまだまだよ!?」
「マリうける!ボーッとしてたでしょ」
「あれ!ごめん、まだだった?」
やらかした…すっかり野田に見とれてた――――――
申し遅れましたが、この少しおっちょこちょいな吉成マリがわたし、物語の主人公だ。
っていってもこの状況を照れながらもオイシイと思ってしまうわたしもわたしで、かなりのお調子者ということ。
こうして2年B組での生活は幕を開けたのだ―――