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勘違いシリーズ

手をたたきましょう

作者: 朝山みどり
掲載日:2026/11/02

 

 子どもの頃、手をたたいて歌いながらも、不思議に思っていたことがある。


「青も白い」


 青なのに、白い。

 どういうことだろう。

 

 誰も不思議に思っていない。


 当たり前のことなのだろうか?

 

 結局、私は「歌だから、そういうこともあるのだろう」と納得した。歌の中では動物がしゃべるし、おもちゃだって踊る。青が白くなっても、それほどおかしくはない。


 それから何年もたった、ある日のことだった。


 何気なく見ていた歌番組で、懐かしい歌が流れた。

 私はテレビに目を向け、つられて口ずさみかけた。


 画面の下に、歌詞が出た。


「あ――おもしろい」


「……え?」


 歌はそのまま先へ進んでいく。

 私は画面を見つめたまま、今出ていた文字を頭の中でもう一度読んだ。


 ああ、おもしろい。


 青も、白い。


「そっちだったの?」


 ため息がでた。勘違いですね。


 ただ、みんなで手をたたいて、おもしろかったのだ。


 分かってしまえば、何でもない。けれど私には、長年そのままにしていた疑問の答えが、突然テレビに映し出されたのだった。


 

 私は膝の上で、小さく二度、手をたたいた。


 ああ、おもしろい。


 今度は歌のとおりに、そう思った。


いつもお読みいただき、ありがとうございます!


誤字や脱字をご指摘いただけることにも、心より感謝しております。

とても助かっています。


作品を楽しんでいただけましたら、ブックマークや★★★★★で応援していただけると嬉しいです。


短編なのにブックマーク? と不思議に思われる方もいらっしゃるでしょうか?


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