手をたたきましょう
子どもの頃、手をたたいて歌いながらも、不思議に思っていたことがある。
「青も白い」
青なのに、白い。
どういうことだろう。
誰も不思議に思っていない。
当たり前のことなのだろうか?
結局、私は「歌だから、そういうこともあるのだろう」と納得した。歌の中では動物がしゃべるし、おもちゃだって踊る。青が白くなっても、それほどおかしくはない。
それから何年もたった、ある日のことだった。
何気なく見ていた歌番組で、懐かしい歌が流れた。
私はテレビに目を向け、つられて口ずさみかけた。
画面の下に、歌詞が出た。
「あ――おもしろい」
「……え?」
歌はそのまま先へ進んでいく。
私は画面を見つめたまま、今出ていた文字を頭の中でもう一度読んだ。
ああ、おもしろい。
青も、白い。
「そっちだったの?」
ため息がでた。勘違いですね。
ただ、みんなで手をたたいて、おもしろかったのだ。
分かってしまえば、何でもない。けれど私には、長年そのままにしていた疑問の答えが、突然テレビに映し出されたのだった。
私は膝の上で、小さく二度、手をたたいた。
ああ、おもしろい。
今度は歌のとおりに、そう思った。
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