06.魔物の会議(後編)
{あんた最近ちょいちょいどっか行ってると思ってたらそんな事してたのねー。}
リリーがそう言いながらフーをじーっと見つめる
{それにしてもこの子…すっごいモフモフじゃない!絶対良い抱き枕になるわよ!}
素早く寝ているフーを抱きながら顔をスリスリしている。
起きたフーが慌てて逃げ出そうとするがガッチリと掴まれていて逃げられない。
{うわぁ!なにぃ!?ちょっとぉ!急に掴まないでよ!ガイル!!こいつどうにかしてぇ!!}
{この子声も可愛いー!!!もうこのまま連れて帰ろうかしら!}
{はーなーせぇぇー!!}
俺はリリーの脇腹をつついてその隙にフーを回収した。
{はぁー、はぁー…ね、ねぇガイル、この子が私の育て親なの…?}
フーが絶望に満ちた目で俺を見てくる。
俺はレイラを指でさしながら、
{違ぇよ、お前の育て親はあいつだ。}
フーはレイラを見て、
{はぁー良かった…あの子なら大丈夫そうだね…zzz}
と言いながら寝た。
寝るの早すぎだろこいつ、危機感ゼロか?
{寝たし触っても……}
{リリーは当分フーに接触禁止な。}
リリーは項垂れてボソボソ言いながら自分の席に戻った。
{というわけでレイラの誕生日プレゼントはフーで良いか?}
{良いんじゃないかな。}
{やっぱり少しくらい触っても……}
{お前は諦めろ。}
{儂も1つプレゼントしたいものがありますのじゃ。}
{なんだ?}
ヤルバがあげるものか…魔道具辺りか?
かといってレイラにあげる魔道具があるのか…
{この魔道具を見て欲しいのじゃ。}
ヤルバはそう言いながら小さな箱型の魔道具を取り出す。
{この魔道具は『瞬間模写投影機』長いので、『模影機』と呼んでおる。}
{簡単に言うとその場の風景を模写した紙を出す魔道具じゃ。}
そう言いながらヤルバは俺に模影機を向けてくる。
カシャリと特有の音がなり、紙が出てくる。
{ほれ、こんな感じじゃ。}
{すごーい、ガイルがそのまま写ってる。}
{かなりの再現度ですね。}
これはかなり凄いな、レイラの思い出を残しておける。良い魔道具じゃないか。
{これをレイラにあげようと思っておるのじゃがどうかな?}
{良いんじゃないかな、小さい頃の記憶は消えてしまうものだがこれがあれば残しておける。}
{さんせーい!}
{じゃあこれもレイラにプレゼントしよう、次は飾り付けについてだが………}
{はいはーい!こんなのがいいと思う!}
レイラ生誕3周年まで、残り2週間…
明日は16時半に投稿予定です。