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幻の百合桜  作者: ふみりえ
幼馴染み編
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第五話 福寿草

「このふたりが我らの刺客を二人殺したのか。」


「まぁ、今のところはもう数人刺客を送るだけでいいだろう」


「でも、それら全てをやり返したら?」


「僕が行くよ」









「そうじゃないよ、そこはああしてこうして、どたーん!」


「......」


 寝れない!


 あたりはすっかり真夜中になり、眠ろうとしたが、隣で寝ているリアラの寝言がうるさく、眠れそうにない。


 そういえば、おばあちゃんの家の時は別々の部屋だったから忘れてたけど、小さい頃リアラの家でお泊まりした時、寝言がうるさくて寝れなかったんだよなぁ。


「ちゃう!ちゃう言ってるでしょ!そこは......」


 うぅ、寝れないよォ








 ちゅんちゅん、ちゅんちゅん


 朝、目が覚めると、小鳥のさえずりが聞こえ、窓を開ける。


「新しい朝が来たよー!」


 私はめいっぱい大きな声でそう叫び、顔を洗いに行く。


 ぶしゃぶしゃばっしゃばっしゃ


 着ていた着物を脱ぎ、いつもの服に着替えると、まだ寝ているリーバを見つめる。


「いいかげん、起きなさーい!!」


「う、うーん......」


「まったく、ちゃんと夜は眠らなきゃダメでしょ?そういえば、私の家に泊まりに来た時も全然眠れなかったっていうし。」


 そう言った瞬間、リーバは目をこじ開け、私を睨んだ。


「ど、どったの?」


「あの時も今回も!あなたの寝言がうるさいから眠れなかったのよ!僕だっていつもはちゃんと寝てるよ!!」


 大声でそう言われ、


「あ、あれ?そうだっけ?えへへ」


「うるっせーぞさっきから!!」


 向かいの建物から大声が聞こえ、見ると窓が開いたままだった。


「すっすいません!」


 リーバは顔を洗いに行っている間、ベッドとリーバが着ていた着物をたたみ、朝食の準備をした。


「あれ?ベッドと着物畳んでくれたの?自分のことは自分でやるのに、ごめんね。」


「大丈夫だよ、これは私の仕事!」


 男は家のことはしないもんだからね!

 そういえば、おじいちゃんは男なのに仕事以外にも家事とかちゃんとやってたなぁ......


「おまたせ!」


 朝食をテーブルに置き、席に座る。


「「いただきます」」


 朝食を食べながら、今日のことについて話し合う。


「とりあえず、城の人からもらった地図で本の国には行けるけど、ルートがふたつあるんだよね。」


「ふたつ?どっちでもいいんじゃない?」


「いやそれがね、ひとつは近道だけど絶死ルート、もうひとつは遠回りだけど安生ルートなの。」


「どっちにする?」


 リーバは少し考えると、


「早く着くにこしたことはないし、絶死ルートにしよっか。」


「そだね」


 朝食を食べていると、あることに気づく。


「あ」


「?」


 私はリーバの方に身を乗り出すと、リーバの口元にある一粒の米を手に取り、ぱくりと食べる。


「......ありがとう......」


 リーバは照れながらそう言い、私はニコッとする。









「よし!それじゃ、行きますか!」


 剣を背中に背負い、鏡を見て身だしなみのチェックをする。


 街を出て森へ進むと、獣が襲いかかってきた。


「ふんっ!」


 急いで剣を抜き、獣に斬り掛かるが、全て軽々とかわされる。


「うー」


 それを見たリーバは手を銃のような形にすると、指先から魔法の光線を放つ。


 一瞬で獣の頭を撃ち抜き、倒れた死体に近寄る。


「わぁ、ごめんね、私、足でまといだよね。」


 リーバは死体の処理をしながら、


「そんなことないよ、リアラは強くなる。おじいちゃんに特訓してもらってたんでしょ?」


「うん、そうだけど、全然強くならなかったの。」


 そう、私はおじいちゃんが生きてた頃、おじいちゃんやリーバを守れるようになるため、特訓をおじいちゃんにしてもらった。

 しかし、全然強くなれなかった。

 一回だけ、おじいちゃんを驚かせたことがあるが、その一回だけだった。






「ここが、絶死ルート......」


 目の前には早速くそぼっろぼろの一本橋があった。


「oh......dangerous」


「行こうか。」


 リーバがスタスタと橋を渡ると、橋がギシギシと音を立てていた。


「ちょ、ちょちょちょ、待ってよー!」


 一人でスタコラサッサと歩いていくリーバとは逆に、私は一歩一歩を慎重に歩いた。


「どうしたの、さっさと渡らないといつ橋が壊れるか分からないよ。」


 リーバが橋の真ん中でそんなことを言う。


「ちょちょちょ、あなたよくそんな真ん中で止まってられるね!死んじゃうよ死んじゃうよ!」


 私が橋の四分の一を渡ると、


「きゃっ!!」


 足元の木の板が破れた。


「ぞぞー」


「大丈夫リアラ?あ......」


「あ......?」


 リーバが私の後ろを見たので、つられて後ろを見ると、そこに街で出会った、演説をしてた男を撃った人と同じ仮面を被った人がいた。


「あれー?な、なななな、なにをしてるのかなぁ?」


 嫌な予感がする......


 その人は橋の縄を片方ちょん切る。


「んんんー?どゆことー?」


 嫌な予感がする。


 そして、もう片方の橋の縄もちょん切る。


「きゃああああああああああ!!」


「リアラ!早くこっ......ち......に」


 私は自分でも信じられない速度で橋を渡り、リーバを追い抜いた。


「はあ、はあ、はあ、リーバ!早く!」


 橋を渡り終え、リーバの方を向くと、リーバも一生懸命走っていたが、


 まずい!追いつかれる!


「リーバ!手を!」


「くっ!」


 ギリギリのところでリーバの手を繋ぎ、何とか橋を渡り終えることに成功した。


 後ろを見ると、先程までいた仮面の人はいなくなっていた。


「な、なんだったの......」


「さっきの人、街で見たのと同じ仮面をしてたよね。」


「死んでなかったってこと?」


「いや、それにしては身長が違いすぎる、多分、秘密の大結社、ユニオンだ。」


 リーバはスっと立ち上がると、


「なるべく早くここを抜けよう。」


 それから私たちはたくさんの困難を乗り越えた。


 獣がたくさんいる洞窟をくぐったり(全てリーバが倒した)、森の中を何度も迷ったり、他にも色々諸々。











 そして、


「やったー!抜けたよー!!」


 絶死ルートを乗り越え、私たちは目の前に本の国があることを確認すると、すぐに国に歩いた。

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